部下への3つの対処法(a、b、c)とは?
a. 確認する:まず「誤解を解く」
とはいえ、いきなり「違反」を責めると角が立ちそうです。あなたの言葉に対する誤解があったことは確かですので、「そういう意味ではない」ということは、きちんと伝えましょう。言葉不足/説明不足を補う形です。
上司は、職責上、年齢的にも、「教えてもらう経験」が少なくなります。誤りや矛盾に気づいたとき、ましてや失敗したとき、頭を下げることを躊躇してしまいます。ですので、
「この前、君のこと優秀すぎて私の仕事なくなるっていったけど、本音では本当は頼りにしているし、君の仕事ぶりは、チームにとって欠かせないってことです。もし気を悪くしたのであれば申し訳なかった」
「『Hさんがいると、自分の仕事がなくなってしまう』ではなくて、そのくらいHさんは、機転が利いて、仕事ができるよという意味だったんです」
という感じです。ここでのポイントは「余計な正当化は避け、素直に詫びる」です。
b. 境界線をつくる:「部分的に」謝る
一方、謝り方には少し境界線を引きましょう。「全面的」に謝るというより、「部分的」に「条件をつけて」謝ってください。
「あなたを、ないがしろにしているように聞こえてしまった」という点については、申し訳なかったね、です。お互いの見解の「食い違い部分」がクローズアップできるような言葉を選んでください。つまり、伝達したい内容の範囲・条件を付すことです。全面謝罪ではないということです。
部下の職務放棄については、部下に非があるのですから、そこは別という意図です。表情・態度についても、冷静さを心掛けましょう。
また、すんなり誤解が解ければよいですが、猜疑心の強いタイプはどれだけ言葉を尽くしても「それ本心?」「今更、言い訳して」となりがちです。「すぐに信じてもらえなくてよい、でも私は君をチームにとって大切な存在だと思っているし、それをこれから少しずつ行動で示していきたいと思います」……と急がず諦めない姿勢を示します。
