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2025年6月の株式市場動向
2025年6月のフィリピン株式市場では、PCOMP(フィリピン総合株価指数)が月間で+0.4%上昇し6,364.94ポイントで6月を終えましたが、年初来では▲2.5%の下落となっています(同期間の米ドルベースでは+0.3%の上昇となります)。海外投資家による売り越しが続き、6月の純流出額は7,200万米ドル(5月は1億1,500万米ドル)となり、年初来の純流出額は4億7,700万米ドルに達しました。取引高は前月比3%増の1億1,800万米ドル(66.4億ペソ)となりましたが、これは指数リバランスやゲーミング関連銘柄の活況によるものです。
為替市場では、ペソがほぼ1%下落し1米ドル=56.32ペソとなり、6月のアジア通貨で最も弱い動きとなりました。これは中東情勢の緊迫化や米ドル高の影響を受けたものですが、ペソは年初来では+2.7%の上昇を維持しています。外国人投資家の株式保有比率は5月末時点で19.04%と、4月の19.23%からやや低下しました。6月の平均日次取引のうち、外国人投資家が占める割合は51%に達しています。
マクロ経済面では、フィリピン中央銀行(BSP)が政策金利を25ベーシスポイント引き下げ5.25%としましたが、声明はそれほどハト派的ではありませんでした。インフレ率は1.3%(前月1.4%)と引き続きBSPの目標レンジ内に収まっています。海外フィリピン人労働者(OFW)からの送金は4月に前年比4%増と、コンセンサス(2.7%増)を上回りました。原油価格の上昇や地政学的リスクの高まりがペソ安の要因となっています。
個別銘柄では、ブルームベリー・リゾーツ(BLOOM)がオンラインゲーミング事業開始の話題で急騰し、直接の競合であるPLUSへの注目も高まりました。アヤラランド(ALI)は金利引き下げと住宅需要の回復を背景に不動産セクターの反発を主導しました。小売大手ピュアゴールド(PGOLD)は世界的なリスクオフの流れのなかでディフェンシブ銘柄として物色され、大手食品ユニバーサル・ロビナ(URC)は割安感から買いが入りました。一方で、銀行セクターのバンク・オブ・ザ・フィリピン・アイランズ(BPI)、バンコ・デ・オロ(BDO)、チャイナバンク(CNC)は直近の上昇を受けて利益確定売りに押されました。通信のコンバージ(CNVRG)は一部売りが出たものの、年初来では依然として好調です。ジョリービー・フーズ(JFC)は韓国チキンフランチャイズ買収後、揉み合いとなりました。
6月の外国人投資家の売買動向をみると、銀行株が買いから売りに転じ、特にバンコ・デ・オロ(BDO)やメトロバンク(MBT)で流出が目立ちました。不動産のアヤラランド(ALI)には強い海外買いが入りましたが、SMプライム・ホールディングス(SMPH)は依然として出遅れています。港湾事業のインターナショナル・コンテナ・ターミナル・サービス(ICT)は第1四半期の好決算と貿易関税問題の緩和を受けて引き続き海外投資家に支持されました。ブルームベリー・リゾーツ(BLOOM)はオンラインゲーミング開始の話題で海外買いを集め、水道事業のマニラ・ウォーター(MWC)はコンセッション延長期待で資金が流入しました。不動産REITのRL・コマーシャル・リート(RCR)は資産注入による指数組入れ期待から海外投資家の関心を集めました。
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