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難易度が低いが利益率も低い米づくり
さまざまある農作物のなかでも、米は生産の難易度が低いほうだと言われています。イネ科の植物は強いので、簡単に枯れませんし、天候の影響ですべてがダメになるようなリスクも少ないです。あとは、作業には大型の機械が入ることが大前提なので、機械化が進んでいるという点でも、うまくやれば労力はそんなにかからない農作物です。
ただ、工程ごとに機械を用意しなければならないので、ゼロから新規参入する場合は、ものすごくお金がかかるという側面もあります。
一方で、利益率(※)という観点から見ると、お米は利益が低いと言われています。インターネットで検索すると、「米農家は時給10円」というような記事やデータがたくさん出てくるくらい、利益率は最低の農作物といっても過言ではありません(実際のところ、米農家の時給は経営体の規模によるので、一概に10円のように低いとは言い切れませんが)。
個人販売にしたほうが農家の実入りは多いですし、手元に残せるお金も多くなります。しかしながら、利益率を上げるために個人で販売しようとすると、先ほども記したような本当にたくさんの業務が降りかかってきます。しかも、そこには当然費用がかかります。
2024年は、僕の口座からいろいろな方に振り込みをしました。入ってきた売上も僕の口座に1回入れて管理をしていました。さらに、生産から加工、販売に至るまでのすべてを自分で全部やっていたら大変なので、人に任せようと思ったときに、人件費を捻出するところまで考慮すると、思ったほど手元に残りません。
お米のビジネスは特殊で、他のビジネスはすべての工程を委託してもプラスになるから経営が成り立つのですが、お米は生産から販売まですべての工程を委託したら、マイナスになるビジネスとも言われています。結局、個人販売を始めたのはいいものの、これだけ苦労しても、思っていたほど儲からないというのが、1年を通してやってみた率直な感想です。
それでもまだうまくいったほうです。2024年は壊れた農機具の買い替えや雑草負けで、想定していた収穫量に届きませんでした。従来通りに農協や業者へ卸していたら、年収として挙げていた15万円ももらえていなかったかもしれません。米価が異常なほどに上がったので、今年の価格であれば確実に利益は出ましたが、それにしても簡単に儲かる事業ではないと感じます。
