ゴールドオンライン新書最新刊、Amazonにて好評発売中!
『司法書士が全部教える 「一人一法人」時代の会社の作り方【基本編】』
加陽麻里布(著)+ゴールドオンライン (編集)
『富裕層が知っておきたい世界の税制【カリブ海、欧州編】』
矢内一好 (著)+ゴールドオンライン (編集)
『司法書士が全部教える 「一人一法人」時代の会社の作り方【実践編】』
加陽麻里布(著)+ゴールドオンライン (編集)
シリーズ既刊本も好評発売中 → 紹介ページはコチラ!
生き残りのカギを握る農協
農業に従事していない方からすると、農協は農家から搾取することで儲けている、悪の組織のようなイメージを持たれているようです。「農家が買い叩かれている」といった話も耳にしますし、僕自身もそのイメージが少なからずありました。しかし、農協が本当に“悪”だとしたら、じいちゃんは経営を続けてこられませんでした。
農協は全国の地域ごとにあるので、もしかしたら農家の不利益になるような運営をしている農協もあるのかもしれません。でも、少なくとも僕たちの地域の農協は、農家に親切でとても一生懸命です。
どういう経営を目指すかにもよりますが、大半の農家さんは生産で手いっぱいの状態です。生産と同じ時間を使っても、すべて売りさばけるかどうか……という世界。ほとんどの方は「つくったはいいけど、どうする?」となってしまいます。
農協の良さは、規格外を除いて全量買い取ってくれることにあります。これはかなり大きなメリットです。なお、農協の卸先である市場の相場で買取価格が決められていて、農協側の販売手数料は5%以下です。多くの農家が生き残るために、農協は必要な組織だと僕は考えています。農業を続けるために農協からお金を借りる農家も多くあります。そうした面でも農家は農協のお世話になっていて、農協があるから日本の農業が成り立っている側面があります。
仮に、独自で販路を広げたとしても、種や肥料、農薬などを購入するときには農協にお世話になりますし、事業拡大のために融資の相談をすることもあるかもしれません。農協とはもちつもたれつでうまく付き合っていくことが、生き残る上でも重要です。儲かっている農家さんがいらっしゃる以上、自分が儲かっていないのは少なからず自分のせいだと捉えるようにしています。
