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順風満帆な人生の裏で…
Aさんの夫は、中小企業ではあるものの商社の役員まで昇りつめたエリートサラリーマン。会社の部下からは理想の上司と噂され、イベントに妻と仲睦まじく腕を組んで出席する姿から、私生活も充実してみえているようです。役員時代の年収は2,000万円以上。誰もが「富裕層の勝ち組」と称賛するAさん夫婦は、理想の夫婦像を演じ続けました。
60歳まで現役で働き、65歳まで役員をしていた夫。65歳からの年金は夫婦で約300万円、月25万円です。資産は貯蓄と退職金等を合わせ、約3億円となりました。老後はいままでの自宅を売却し、勝どきにある3LDKのタワマンを購入します。Aさん夫婦は、会社内だけでなく友人たちにとっても理想の夫婦であり、完璧な生活、老後を送っているように振る舞っていました。ですが、他人から見た完璧な円満夫婦は実は「表」の顔だったのです。
勝どきタワマンの上層階という誰もが羨む住環境とは裏腹に、夫婦のあいだに温かい会話はほとんどなく、それぞれの部屋にこもり、互いに無関心な日々を送っていました。一人息子が独立、海外赴任となってからは、その距離はさらに広がり、同じ家にいながらも、互いの存在さえ意識しないような、すれ違いの生活が続いていました。世間体を気にするがゆえに離婚という選択肢を選ばず、同居人として割り切った関係は、時間の経過とともに、深い溝となって二人を隔てていきました。
お互いが干渉することもなく、むしろ無視するかのような生活。ここまでくると仮に旅行に出かけ、相手が家にいなかったとしてもわからない、病気で寝込んでいてもわからないという事態になるかもしれません。

