エミン・ユルマズ氏、杉原杏璃氏、特別講演決定!
THE GOLD ONLINE フェス2025 SUMMER
~あなたの財産を守る・増やす・残すための大展示会~
★8月23日(土)/東京国際フォーラムB5・B7★
ゴールドオンライン新書最新刊、Amazonにて好評発売中!
『50代から始める終活「争族・不動産」対策』
平田康人 (著), ゴールドオンライン (編集)
『富裕層が知っておきたい世界の税制【大洋州、アジア・中東、アメリカ編】』
矢内一好 (著)、ゴールドオンライン (編集)
シリーズ既刊本も好評発売中 → 紹介ページはコチラ!
激務の果て…収入減と体調不良に苦しむ元長距離ドライバー
全国を走り続けた長距離トラックドライバーの棚橋遼平さん(仮名/66歳)は、現在、月16万円の年金で生活を送っています。20代から大型トラックのハンドルを握り、時には1日20時間近くも運転する日々。月に100万円を超える収入を得ることもあり、「体はきついが、とにかく稼げる仕事」と、がむしゃらに働き続けてきました。しかし、その代償は小さくありませんでした。
多忙な生活は、家庭との間にすれ違いを生じさせました。家に帰るのは週に一度程度。配送先のサービスエリアで寝泊まりする生活が常態化し、子どもが独立した55歳のときに妻と離婚。それからは独り身で、さらに仕事に没頭する毎日でした。
しかし、社会の変化は棚橋さんの働き方を直撃します。年々厳しくなる労働時間の制限や休憩時間の取得に関する法規制により、トラックドライバーの収入を支えていた時間外手当や深夜手当は減少の一途を辿りました。
特に、2024年の「働き方改革」でドライバーの労働時間が大幅に制限されると、棚橋さんのような「時間で稼ぐ」スタイルのドライバーたちは大きな打撃を受けます。拘束時間が減った分、収入も大幅にダウン。さらに問題だったのは、実態として労働しているにもかかわらず、「待機時間」が「休憩時間」とみなされ、賃金が支払われない「隠れ休憩」の横行でした。これにより、棚橋さんの手取りは月額30万円にまで減少。長年の激務で培ってきた収入源が、根底から揺らぎはじめました。
もう一点、棚橋さんを苦しめたのが食生活です。長年の外食中心の生活は、食費をかさませるだけでなく、加齢も相まって内臓脂肪の増加を招きました。長年の外食中心の生活は物価高騰の影響を大きく受けて食費が増える一方。さらに、離婚時の財産分与の影響もあり、老後を目前にして貯蓄はほぼゼロに近い状態でした。
そして、追い打ちをかけるように、長年の肉体労働で抱えていた腰と膝の慢性的な痛みが悪化。荷物の積み下ろし作業中にぎっくり腰を発症し、慢性化して仕事に戻ることが困難になりました。傷病手当金の支給も終わり、頼れるのは月16万円の年金だけ。再就職先を探しても「腰が悪い」と伝えると運送業では断られることが多く、先のみえない生活に不安だけが募っていきました。
不安を抱えながらのタクシーアルバイト
現在、棚橋さんはタクシードライバーのアルバイトをしながら生計を立てていますが、腰に負担をかけないように働くため、手取りは月10万円程度に留まっています。これまでほとんど自炊経験がなく、スーパーの惣菜に頼る生活で食費は削れていません。健康診断でも指摘を受け、「ただただ苦しいです」と漏らす棚橋さん。「いまは生活が成り立っているからまだよいものの、いつまでこの生活が続けられるか」と、不安を抱えながら日々を過ごしています。
長年日本の物流を支えてきたドライバーたちの厳しい現実が、棚橋さんの言葉から浮かび上がります。
8/23(土)THE GOLD ONLINE フェス2025 SUMMER 連動企画
「THE GOLD ONLINE 川柳コンテスト」作品募集!
※募集期間:6月1日~8月13日