6つのグループ会社を持つ、株式会社タスキホールディングス
株式会社タスキホールディングスは、株式会社タスキと株式会社新日本建物が2024年4月に株式移転により経営統合したことで、両社の親会社として設立されました。現在はこの2社を含め、資産コンサルティング会社、不動産ファイナンス会社、DXコンサルティング会社、など計6つのグループ会社があります。
もともと株式会社タスキは、株式会社新日本建物の子会社として2013年8月に設立され、戸建住宅のリフォーム再販事業や新築投資用レジデンスの開発事業を行っていました。そして、2017年にタスキの経営陣によるMBOで新日本建物との資本関係を解消したあと、2020年10月に東証マザーズ(現在のグロース市場)に株式を上場しました。
こうして一時は資本関係がなくなったタスキと新日本建物でしたが、2024年4月に株式会社タスキホールディングスが設立され、両社がその傘下に入る形になったのです。
「東京23区・駅近エリア」に多数のレジデンスを開発できる理由
ご存じの方も多いかと思いますが、現在、東京都心のマンション分譲価格は、平均で1億5,000万円程度にまで高騰しています。資材価格や人件費の高騰による影響もさることながら、すでに都心はマンション開発を行いたくても、上物を建てるのに十分な土地がないという状況に直面しています。一見すると、都心のマンション開発は、物件価格の高騰でチャンスのようにも思えるのですが、あまり楽観視できないのが実情です。
しかし、ここに私たちのビジネスモデルの強みがあります。いまの都心には、タワーマンションのような大規模マンション開発に適した土地を求めるのは極めてむずかしいのですが、実は23区内には空き家がかなり存在しています。2023年の住宅・土地統計調査によると、空き家数の多い区としては、世田谷区の約5.9万戸、大田区の約4.9万戸、足立区の約4.4万戸がトップスリーでした。
こうした空き家を買い取り、30~40坪程度(約100~130平方メートル)の敷地に「コンパクトIoTレジデンス」を建設し、投資用物件として売り出すのが、私たちのビジネスモデルです。
中核をなすのは、最寄り駅から徒歩5分程度の駅近物件。敷地に「4階建て/1部屋25平方メートルのワンルーム/合計10部屋」というのが、私たちが建築するマンションの平均的なイメージです。すべての物件に光回線やIoT家電が標準装備されており、入居者の中心層は20代から30代前半の独身の方。建物はRC構造で強度が高く、耐用年数が長いという特徴があります。
工期は短く、コストも抑制…タスキならではのノウハウとは?
空き家を買い取る際には、近いエリア内で複数物件を対象にします。いうなれば「ドミナント戦略」のようなものですが、たとえば離れたエリアの空き家を3軒買い取るよりも、同じエリア内の空き家を3軒買ってマンション開発をしたほうが、建築コストを引き下げることができます。その分、用地仕入には他社よりも高い買取金額を提示できます。
また、短い施工期間もコスト圧縮に寄与しています。大規模マンション開発だと、施工期間に2~3年は要しますが、私たちは低層ワンルームマンション中心なので、10ヵ月程度で建設可能です。
そもそも、戸建て住宅があった土地にマンションを建設するという発想自体、皆さんはあまりお持ちではなかったのだと思いますが、それ以前に、コンパクトなスペースにマンションを建設するのは難しく、高い技術とノウハウが必要です。それが実現できるのも、私たちの強みだといえます。
こうした一棟物の新築物件を購入されるのは、資産家、投資家、経営者といった富裕層の方々です。中心価格帯は3億円から5億円。資産承継や資産活用、事業多角化のために収益物件の購入を検討されているお客様から、お問い合わせをいただいています。
投資商品に様々なバリエーション…不動産投資型クラウドファンディングサービスも組成
私たちがご提供しているのは、富裕層の方向けの一棟物ばかりではありません。多くの方に不動産投資に親しんでいただくため、近年では、1口10万円の少額から投資できる不動産投資型クラウドファンディングサービスも展開しています。
「TASUKI FUNDS(タスキファンズ)※」という匿名組合契約に基づいた投資組合型の不動産投資商品で、インターネットを通じて複数の投資家から出資を募り、集まった出資金をもとに不動産の運用を行い、得られた収益を投資家に分配する仕組みです。
※ 商品スキーム、勧誘方針、免責事項等の詳細は、ウェブサイトTASUKI FUNDSをご確認ください。
基本的に、不動産投資は資金力が必要であり、私たちが個人のお客様を対象に販売している一棟RCマンションも、投資金額は3億円から5億円と高額です。
その点、「TASUKI FUNDS」の最低購入金額は1口10万円と、RCマンションの一棟買いに比べれば格段に少ない金額で、不動産投資商品をご自身のポートフォリオに組み入れていただくことができます。
また、「TASUKI FUNDS」の運用期間は各商品によって異なりますが、長いもので1年程度、短いものだと4ヵ月程度となっており、運用が終了するとそれぞれのファンドは清算を行い、その清算内容によって償還や分配等が実施されます。
将来は、ステーブルコインを活用した不動産投資型クラウドファンディングサービスも視野
将来的な話ですが、私たちは、日本円ステーブルコインである「JPYC」を活用した、新しい不動産投資型クラウドファンディングサービスの実現も目指しています。
従来の不動産投資型クラウドファンディングサービスには流通市場が存在していなかったため、投資家は、保有しているファンドを償還前に第三者に売却して現金化するのが困難でした。
私たちは、JPYCを活用した決済手段を提供することで、投資家の利便性と満足度の向上を目指すとともに、ブロックチェーン技術を活用した二次流通を促進する仕組みを検討し、Web3ネイティブ世代へのリーチを広げ、不動産投資型クラウドファンディングサービスの活性と独自のオンチェーン経済圏の構築を目指します。
取材:JOYnt 鈴木 雅光
撮影:KPS 上條 伸彦

