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金利低下とOFW送金が需要を下支え
メトロマニラの住宅市場では、今後3年間、中価格帯コンドミニアムの新規供給が抑制される見込みです。しかし、金利の引き下げや海外フィリピン人労働者(OFW)からの安定した送金が需要を下支えすると、世界的な不動産サービス・投資運用会社であるコリアーズ・フィリピンズは予測しています。
2024年第1四半期のプレセリング供給数は約5,300戸に達し、2023年第3四半期以来の高水準を記録しました。主な新規プロジェクトには、マカティの「Avida Towers Makati Southpoint Tower 3」、トンドの「Urban Deca Tondo – Bldg. 7」、パシッグの「Haraya Residences – North Residences」などが含まれます。
一方で、販売成約(ネットテイクアップ)はわずか87戸にとどまり、在庫の解約件数(バックアウト)は4,700戸に上りました。これは特に築年数の経過した物件で顕著であり、中価格帯とやや高価格帯の物件が全体の65%を占めています。中央銀行は4月に政策金利を5.5%へと0.25ポイント引き下げており、年内にさらに2回の利下げの可能性が示唆されています。
政策金利の引き下げは、住宅ローン金利の低下に直結するため、購入者の月々の返済負担を大きく軽減します。これにより、これまで予算の面で購入を躊躇していた中間所得層や若い世代の購買意欲を新たに掘り起こすことが期待されます。
加えて、OFWの現金送金額は第1四半期に前年比2.7%増となっており、これらの要因が住宅購入意欲にプラスに作用するとみられます。そもそもOFWからの送金は、フィリピンの個人消費を支える太い柱です。その多くが国内に残る家族の生活基盤となる住宅の購入資金に充てられるため、安定した送金は中価格帯市場にとって生命線となります。将来の帰国を見据えた資産形成の受け皿としても、彼らの需要は底堅いものがあります。
