(※写真はイメージです/PIXTA)

投資家デビューをする人が増えています。しかし、経済ニュースや周囲の意見に倣って「なんとなく」投資を続けていると、思うように結果が出せず、最悪は退場の憂き目にあいかねません。重要なのは、目的を持って取り組むこと、そしてもうひとつは、自身の置かれた状況から、リスク分散を考えることです。経済評論家の塚崎公義氏が平易に解説します。

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資産防衛? バクチ? 優待狙い?…株式投資の目的を意識する

株式投資をするに際しては、目的をしっかり意識することが重要です。「老後資金を守るための運用」なのか、「小遣いの範囲内でバクチを楽しみたい」のか、「株主優待がほしくて買う」のか…。目的別に、ポイントや注意点をまとめてみました。

 

●資産防衛の場合 

 

老後資金を全額預金で持っていると、インフレが来たときに目減りしてしまう(買える物の量が減ってしまう)から、インフレに強い株を買う、ということであれば、「守りの投資」です。

 

そのような場合は「株式の投資信託の積み立て投資」がよいでしょう。手軽にできて、「銘柄分散」と「時間分散」によってリスクを小さくすることができます。

 

●バクチの場合 

 

バクチを楽しむ場合には、「安いときに買って値上がりしたら売る」「儲かりそうな株を買って長期保有する」の2つのうち、いずれを目指すのかを考える必要があります。

 

前者を目指すなら、個別株でも平均株価でも構いませんが、重要なのはケインズが株価を美人投票に喩えたことをしっかり認識し「真実を知ろうとするより、人々の噂を知ろうと注力する」ことが重要でしょう。長期投資でバクチを楽しむなら、「新興ハイテク株を買って数十倍になるのを待つ」といった選択肢がありますし、最近では未公開株に投資する方法も少しずつ広がっているようです。

 

しかし、ここではもう少しマイルドに「将来性のある企業の株を買ってじっくり持つ」ことを考えてみましょう。「株価が5割上がったら嬉しい」「配当や株主優待がもらえるから銀行預金よりいい」といった投資を考えましょう。

 

●株主優待狙いの場合 

 

株主優待狙いで買うときには、「それほどほしくないけれど、高価なものが無料でもらえるなら…」という動機はお勧めしません。

 

本当にほしいものが株主優待でもらえる場合に限るほうが、人生の幸福度は増すと思いますよ。もうひとつ、株主優待制度が突然廃止になるリスクもあるので、要注意です。

「自社株」は様子がわかるぶん、投資しやすいけれど…

自分の会社のことは、様子がよくわかりますし、愛社精神もあるでしょうから、自社株を買ってみたいという人は多いでしょう。しかし、「リスク分散」の観点から、筆者はお勧めしません。

 

会社が成長すれば給料もボーナスも増え、株価も上がりますが、会社が衰退すれば給料もボーナスも減り、株価も下がってしまうからです。倒産した山一證券の元社員が自社株買いをしていたことを後悔していたのが思い出されます。

 

ちなみに、「自社の株を買って、会社に愛社精神をアピールする」「従業員持株会に加入すると会社から補助金を受け取る」という動機で自社株を買う場合については、本稿はノーコメントです。

リスク分散の観点からは「勤務先と異業種の株」が好ましい

筆者の友人で、「自社株買いはリスク分散の観点から避けて、ライバル企業の株を買っている」という人がいました。「ライバル会社のことは、ある程度理解できるので、異業種の株を買うよりも安心である。なにより、わが社がライバルとの競争に敗れてしまった時にライバル会社の株価が上がっていれば助かるというリスクヘッジになる!」というわけです。

 

なるほど、と感心して聞いていましたが、結果は悲惨でした。業種全体が構造不況業種になってしまったからです。

 

リスク分散という観点からは、なるべく異なる性格の株を買うべきなのです。同業者の株を避けるのみならず、「輸出企業の社員は別の輸出企業の株も避ける」べきでしょう。円高になった時に両社ともに損失を被りかねないからです。

 

日本株を買うなら、「輸出企業の社員は輸入企業の株を買う」くらいがいいのです。円高で輸出企業の利益が減る時には、輸入企業が儲かるだろうから株価も上がるだろう、ということですね。

 

さらにいえば、「日本経済が不況になると、日本企業の利益が減って日本企業の株価がすべて下がるかもしれない。外国企業の株のほうが安心だ」という考え方もあるでしょう。

 

「バクチを楽しむといいながら、リスクを避けることを考えるのはなぜか」と疑問を持つ読者もいるでしょうが、筆者としては「避けられるリスクは避けて、その分だけ多くの金額をバクチに投入するほうが楽しいし、儲かる確率も高くなる」と考えているわけです。

筆者は「ハイテク企業」の長期保有!

ちなみに、筆者はバクチが好きです。ラスベガスのカジノより、競馬競輪より、株式投資のほうが「胴元」の取り分が少ない等々の理由で、小遣いを株式投資のバクチに使っています。

 

10倍になるかゼロになるか、という「新興ハイテク株」を買って長期保有するわけですが、その際のコツを友人に教わったので、実践しています。それは、「2株買って、株価が2倍になったら1株売り、残りはずっと持っている」という手法です。2倍になったときに半分売って投資元本を回収し、「あとはゼロになっても構わないのだから、損をしたら大変だという不安から解放される」のです。これについては、別の機会に詳述します。

 

本稿は以上ですが、投資判断等は自己責任でお願いします。なお、本稿はわかりやすさを重視しているため、細部が厳密でない場合があります。

 

筆者への取材、講演、原稿等のご相談は「ゴールドオンライン事務局」までお願いします。「THE GOLD ONLINE」トップページの下にある「お問い合わせ」からご連絡ください。

 

 

塚崎 公義
経済評論家

 

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