(※写真はイメージです/PIXTA)

株式投資をする人が増えている一方で、なかなか「投資デビュー」に踏み出せない人もいるようです。しかし、ためらってばかりでは資産形成のチャンスはつかめません。リスクが怖い初心者の方に向け、株式投資への取り組み方、考え方を見ていきましょう。経済評論家の塚崎公義氏が解説します。

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株式投資のリスク、「銘柄分散」を実現するには…

株式投資をする人が増えていますが、その一方で「大損しそう…」「始めるタイミングがわからない…」などと、怖がったり、ためらったりする人も少なくないようです。

 

株式投資には、リスクがあります。買った株が値下がりすれば損をしてしまうからです。そのリスクを抑えるには、いろいろな株を少しずつ買えばよいのです。3社の株を買えば、3社とも値下がりする可能性は低いですから。大儲けできるチャンスは減りますが、大損をするリスクが減るなら、要検討でしょう。

 

■投資信託なら「銘柄分散」が簡単に

もっとも、どの銘柄を買うかの判断は容易ではありませんし、複数の銘柄を少しずつ買うには結構な資金が必要です。そこで、投資信託という選択肢を検討してみましょう。

 

投資信託とは「プロが大勢から少額の資金を集めてさまざまな株を買い、儲かっても損してもそのまま(手数料を差し引いて)投資家に返還する」というものです。したがって、多くの銘柄の株を少しずつ買うのと同じ効果が少額投資で期待できるのです。

 

なかでも、日経平均株価やS&P500などといった代表的な株価指数(インデックス)に連動する運用成果を目指す「インデックスファンド」は、1本で多数の銘柄に分散投資できることから、資産の分散効果が高いといわれています。

 

■投資信託なら「時間分散」でもリスクを減らせる

株や投資信託を買うタイミングも悩むところです。高いときに買えば損してしまうからです。もっとも、毎月少しずつ買う「投資信託の積み立て投資」なら、高いときも安いときも買うことになりますから、大儲けは狙えませんが、大損のリスクを避けることができるでしょう。

 

■「積み立て投資」なら開始時期を悩まない

積み立て投資のメリットのひとつが、いつ始めるかを悩まなくてよい、ということです。今後10年間積み立てる予定であれば、毎月の購入額は予定購入額の120分の1ですから、「仮に来月株価が暴落しても、120分の1を損するだけだ」と気楽に考えることができるわけです。

 

「もう少し下がるのを待ってから大量に買おう」と思っていると、いつまでも投資が始められないので、気楽に始められる積み立て投資を「思い立ったが吉日」で始めることを検討してみましょう。

 

ちなみに、平成バブルのピークの時に積み立て投資をした人は大儲けをしたはずです。最初の1ヵ月分は大損でしたが、暴落後には安い値段で多くの投資信託を購入することができたはずですから。

 

「暴落してから積み立てを始めればさらによかった」と思う人がいるでしょうが、それは非常に難しいことです。暴落したときには狼狽売りをする人が多いわけで、そんなタイミングで「新しく投資を始めよう」などと思えるのは、相当ハートの強い人でしょう。

投資初心者は「考えない」というルールを徹底しよう

投資初心者が株価の短期予想をするのは非常に困難です。株式市場はプロとアマと初心者が対等に闘っているフィールドなので、自分で判断しても勝つ可能性はそれほど大きくありません。

 

投資初心者が「もう少し下がりそうだから、買わずに待っている」などというのを聞くと、「おいおい」と口をはさみそうになります(笑)。値上がりを予想して買い注文を出しているプロと値下がりを予想して売り注文を出しているプロが激突した結果、成立しているのがいまの株価なのですから。

 

とくに気をつけなければいけないのは、株価が上がり続けていると「急いで買わなくては」と思って高値掴みをし、株価が暴落すると「この世の終わりが来そうだ」と思って狼狽売りをすることです。

 

毎月積み立てると決めたら、あとは自分で考えず、決められたルールどおりに金融機関に購入してもらえば、間違えることがないので安心なのです。

 

問題は、株価が暴落すると積み立てを止めたり、残高を解約したりする初心者が少なくないことです。自分で決めると間違えるからルールを決めたのに、自分でルールを破ってはいけませんね。

毎月一定額の積み立てだから「安いときに多く」買える

毎月一定額の投資信託を購入するということは、株価が高いときには少ない数量しか買えず、株価が安いときには多くの数量が買える、ということです。その結果、毎月の株価の平均よりも、持っている株の平均購入価格が安くなるのです。

 

毎月3万円の投資信託を買うとします。今月は株価が3万円だと、投資信託は1口しか買えません。来月株価が1万円に下がると、投資信託が3口買えます。6万円で4口買えたので、平均購入単価は1万5千円です。今月と来月の株価の平均である2万円より安く買えていますね。

上がっても下がっても喜べるから、ストレスもない

積み立て投資だと、株価が上がったときには「自分の財産が増えた」と思って素直に喜べますし、株価が下がったときには「今月は安く買えた」と喜べます。どうせ取り崩すのは遠い将来なのですから、今日の株価が安いことは失望の理由にならないのです。

 

株価が上がっても下がってもポジティブ思考をしていれば、ストレスなく投資が続けられるので、ぜひ(笑)。

 

本稿は以上ですが、株価が暴落したときに狼狽売りをしてはいけない理由については、拙稿『1,000円で買った株が800円に値下がりしました。どうすればいいですか?…投資初心者の質問に経済評論家が「納得の回答」 』を併せてご覧下さい。

 

当然ではありますが、投資判断等は自己責任でお願いします。なお、本稿はわかりやすさを重視しているため、細部が厳密でない場合があります。

 

筆者への取材、講演、原稿等のご相談は「ゴールドオンライン事務局」までお願いします。「THE GOLD ONLINE」トップページの下にある「お問い合わせ」からご連絡ください。

 

 

塚崎 公義
経済評論家

 

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