リボ払いやキャッシングは「簡単に借りられる借金」
キャッシュレス決済が浸透した今、クレジットカードを利用して支払いをするのはごく当たり前。ネット経由でカードを申し込めば、あっという間に手元に届きます。しかし、使い方に気を付けないと、Aさんの娘のように大変なことになるケースも。
カードで一括で購入し、所定の日に銀行口座から引き落としされると、手数料はかかりません。例えば30万円のパソコンを買うのに一括払いを選択した場合、総支払額も30万円です。カードを使うとポイントが付くことが多いため、むしろ現金よりも得をするのが一般的です。
ですが、リボ払いとなると話は別です。リボ払いの支払い方法にはいくつかありますが、同じく30万円のパソコンを買い、毎月5,000円ずつ定額で支払うとしましょう。カードによって手数料率は変わりますが、一般的な年率15%で計算します(※)。
その場合、支払総額は55万円強、支払期間は9年にも及ぶことになります。30万円の買い物に対して55万円支払うとわかっていれば、多くの人は利用しないのではないでしょうか。しかし、月々の支払いが5,000円という、目先の負担の小ささを優先してしまう人が多いのです。
キャッシングの金利もリボ払い同様、15%~(18%まで)が一般的。一時的に借りてすぐ返済するのでなければ、使うのは危険と言わざるを得ません。
子どもの失敗のツケが親に回ってくることもあるが…
クレジットカードのほかに、ギャンブル、投資の失敗、詐欺被害など、Aさんのように我が子のトラブルに振り回されて老後計画が崩れるケースは少なくありません。
18歳以上(成人)になれば、クレジットカードやカードローンなどの借金は本人の責任になります。本人の意思で債務整理をするなどの方法もあり、親が肩代わりをする義務はありません。とはいえ、そう切り捨てられないのが親心でしょう。
すでに社会人として自立する子どもの家計を親がチェックすることは難しく、多くの場合、ある日突然、子どもの窮地を知ることになるものです。
親として事前にできる対策には限界がありますが、自活を始める前に十分な金融教育をすること、また、離れていても会話をする機会を増やして暮らしぶりを確認するなど、コミュニケーションが鍵になるといえそうです。
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