創業は易く、守成は難し…「承継技術」が企業存続を左右する
“創業は易く、守成は難し”
この考え方は、中国の古典『貞観政要』に由来する。唐の太宗が臣下に創業と守成のどちらが難しいかを尋ねた際、魏徴という臣下が「守成のほうが難しい」と答えた。これは、事業承継を端的に表す表現といえる。
現代の表現であれば、創業は新築、承継はリフォームと言い換えてもいい。新築の場合、図面を引いて、建前をして、内装、外装と工事を進めていくが、リフォームの場合は、家に住みながら工事を行う必要がある。
前社長や古参の役員が残りながら新体制に引き継ぐ「事業承継」は、まさにリフォームといえるだろう。
ここでやってはいけないことは、切ってはいけない柱を切ること。大黒柱を切ってしまえば、その瞬間その家(企業)は成り立たなくなってしまう。
承継と同時に行うべき「ビジョン」の発表
なお、実際に事業承継を行った際には、同時に「長期ビジョン」を発表することを推奨する。
自分はこれからどんな会社にしていきたいのか、なにを目指しているのか……組織の新しいリーダーとして方向性を示すことで、価値観相違のリスクを小さくすることができる。このとき、中期ビジョンや中期経営計画として社内外に発表されるとなおいいだろう。
承継前・承継後、どちらもゴールを定めることが、事業承継をスムーズにするためにもっとも重要なことだ。承継とは未来を創ることだが、キャンバスにどのように描くかは自分しだい。事業承継のコツをおさえ、“守成”の第1歩を踏み出してほしい。
槇本 康範
株式会社タナベコンサルティング
上席執行役員
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