(※写真はイメージです/PIXTA)

税務調査というと、ある日突然やってきて、厳しい言葉で問い詰められるなどと怖いイメージを抱いている人もいるかもしれません。しかし、それは誤解です。実際には世間話やなにげない会話などから、穏やかに調査が進められるのが一般的だといいます。ただ、そんな穏やかな調査官の“何気ない世間話”には驚きの真意が隠されていることも……。税務調査の正しい備え方について、税理士法人松本の代表税理士松本崇宏氏が解説します。

1日で終わらない場合、翌日までかかることも…

税務調査日当日は、担当の調査官が1~3名ほど訪れて調査が開始されます。簡単な挨拶の後、税務調査の目的などについて説明があり、会社の概要や沿革、営業状況についての質問から始まり、適宜書類や資料、データの提示も求められつつ売上や仕入、経費など細かな内容についての質問を受けることとなります。

 

調査日に訪問する調査官には「質問検査権」があり、税務調査の対象者に対して質問や聴き取り、資料の検査などを行う権限を持っています。税務調査対象者にも受忍義務があるため、聴かれた内容については誠実に説明、返答を行い、特段の理由がない限り資料提示などには協力するようにしましょう。

 

調査はおおむね10時~16時頃まで行われ、正午頃に休憩を挟むのが一般的です。1日で終わらない場合は、翌日や翌々日にも調査がおよぶこともあります。

 

税務調査には、税理士に同席してもらうことが可能です。不安な場合は税務調査対応実績が豊富な税理士事務所などへ事前に相談し、調査当日に同席してもらいましょう。

 

税務調査後の指摘事項について

税務調査で申告内容や納税状況についてなんらかの計上漏れや計算ミスなどが見つかった場合、その項目に関する指摘を受けることとなります。

 

指摘を受けた事項について認める場合は修正申告を行い、修正申告に応じられない場合は更正処分となり、納得できなければ納税者は不服申し立てなどの手続きを取ることとなります。

“世間話”に要注意…税務調査を受ける際のポイント

税務調査へ対応する際に知っておくべきポイントや対処法についてご紹介します。

 

税務署は調査前からある程度の情報を把握している

税務署では、税務調査で訪問してから調査を開始するわけではなく、税務署独自のルートによってある程度の情報を事前に把握している点に注意が必要です。

 

任意調査の事前通知を受けてから帳簿や書類を修正したり、修正申告を行ったりした場合、なにか隠しているのではないかと疑われ、税務調査の手が厳しくなってしまう可能性があります。

 

事前通知を受ける前にミスに気づいた場合は、修正申告をすることでペナルティを軽くできる可能性があります。事前通知の前後にかかわらず、間違いに気づいた場合の対処について不安がある場合は、税理士へ相談してみるのも1つの方法です。

 

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