今回は、パソコン・携帯電話を駆使して「大家業」の効率化を図る方法を見ていきます。本連載は、株式会社タカ・コーポレーション代表取締役、中村 隆氏の著書『続・究極の不動産投資術』(株式会社タカ・コーポレーション)の中から一部を抜粋し、不動産の購入から、入居者募集、物件の維持管理まで、「究極の不動産投資術」の具体的な内容を解説します。

誰と何を話したか、エクセルに記録して対応漏れを防ぐ

今や大家業を目指す方にはパソコンが絶対に必要ですし、うまく使いこなせなければ効率が上がりません。私はパソコンで家賃入金の管理をしています。家賃が入ったらパソコンで家賃を入力して家賃漏れがないようにコントロールしています。

 

ソフトは『アパマン経営・節税テクニックこれがすべてです!』(新評論)の著者であり税理士でもある鹿谷哲也氏が作成したものを使っています。名前は「らくらく社計簿」です。家賃表に家賃の入金毎に入金日と名前を入力していきます。そうすると月末まだ誰が入金されていないかがすぐにわかります。それと誰が月の何日に入金するかもわかります。早く入金される方は前月の10日には入金され同時に私の携帯電話もブルブルと振動します。このソフトは非常に使いやすいので参考にしてください。

 

あとパソコンのエクセルを使って日誌を書いています。証券会社に勤めていた時お客様と何を話したかを常にレコードキーピングし、パソコンに入力していました。それが独立した今、すべて自分が責任を取らなければならない経営者としては誰とどういう話をしたかは絶対に忘れてはならないと考えました

 

また出来事も記録します。クレーム、電球が切れた場所、電球を替えた場所と時期、入退室の申し込み、不具合があったらそれを書き次に「⇒」を必ず横に記入します。これは不具合に対応したら「⇒」の後に何日に対応したかという結果を記入するためです。そうすればまだ「⇒」の後に何も書きこまれていなければ対応していないことがすぐわかります。

 

あと退室に立ち会ったら必ず苦情を聞きます。些細なことでも聞きます、そして聞いたことをパソコンに入力しておきます。後で対応できるものは対応します。

 

特に家賃が遅れた入居者への対応は必ず入力します。私の経験では以前働いていた仕事を辞めて新しい仕事が見つかるまでの間によく家賃の遅延が起きます。その場合は何月何日に2カ月分払う予定だという内容を入力しています。

 

このレコードキーピングはお互いの信頼関係を維持発展させるためにも大切であると思っています

 

入居者の立場になって考えるとわかりやすいです。例えば暖房が利かなくなり寒くて我慢できないと大家に伝えても大家が忘れてしまっていたらどうでしょう? あなたがもし入居者だったらどう感じますか? 非常に嫌な気持ちで2度目の電話を入れるでしょう。こんな時大家は「すいませんすぐに対応します」と電話で謝るだけでしょう。しかし普通のビジネス世界ではこんな対応では済みません。

 

私が万が一対応するのを忘れてしまったら、大至急アパートに駆けつけて本人に直接謝ります。だから暖房が利かなくなったら私は間髪をいれずヤマダ電機に行って新品を購入します。それでも1週間後にしか工事ができないと言われてしまいます。このヤマダ電機のカウンターから入居者の携帯電話に電話して今の状況を伝えて何日に工事が入るかを伝えます。そうすると入居者も安心します。私は特に寒がりなので気持ちが入ります。

 

大家業は人様から家賃をもらって生活が成り立っていますのでこのくらいは当たり前の話です。忘れてましたでは済まないのです。皆様もぜひレコードキーピングをしっかりして信頼される大家になってください。

即時確認・対応できるよう、情報は携帯電話に保存

最近パソコンとプリンターを繋いで文書をスキャナーで取り込んでパソコンで管理しています。多々の資料、請求書、入居申込書、ヤマダ電機領収書、ローン返済明細書、火災保険証書、各種契約書をパソコンでスキャンしてフォルダーを作ってその中に保存しています。薬の説明書も保存します。この薬はなんの効用があるかパソコンですぐわかります。非常に便利なので皆様も使ってください。

 

ノートとかに書いてあるものを携帯電話記録すると便利です。そうするといちいち書類を鞄に入れて外出しなくとも携帯電話だけを持っていれば対応できます。私は携帯電話でよく写真をとり保存しておきます。入居者のデータやポストの番号、家賃表などです。私の場合一般で募集しているので鍵を特定の業者に預けずに現地のポストに置いています。その方が業者も紹介しやすいのです。もし特定の業者に預けていたらいちいち電話してその特定の業者のところまで鍵を取りに行ってまた返す手間がかかります。現地のポストに置いてあると、業者から部屋を見たいと連絡が入れば空いている部屋のポストの番号を伝えて内見してもらえます。ノートに書いてあるすべてのポストの番号も携帯電話で写真に撮って保存してあります。だからいつ業者から「内見したいのでポストの番号教えてください」と言われても問い合わせに答えられます。

 

あとは放置自転車があるとその番号を携帯電話に写真を撮り保存します。自動販売機をみて売り切れ商品があると写真を撮り保存して、後日業者に電話を入れてなぜ売り切れている状態を放置しているのかと聞きます。人気商品ならばもっと多く備えるようにとアドバイスしてあげます。そうするとお互いハッピーな関係を保てます。

 

小山へ出張する時はヤフーで行き方を検索します。乗換駅、時間の画面をマイピクチャに保存します。こういう使い方をしていますので今まではいろいろ書類を持たなくてはならなかったのに、今は携帯電話の写真機能を使ってデータを保存しておけばいい時代になりました。保存できるデータ量が日進月歩で大きくなっているお陰です。

 

これを利用しない手はありません。携帯電話ひとつで全世界どこに行っても業者からの質問や問い合わせに答えられるようにしておけば、それだけ機会損失が減ることになります。皆様も気になる記事、広告、本がありましたら携帯電話で写真として撮りマイピクチャに保存してください。意外と便利だと再認識するはずです。

 

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本連載は、2012年3月20日刊行の書籍『続・究極の不動産投資術』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

続・究極の不動産投資術

続・究極の不動産投資術

中村 隆

株式会社タカ・コーポレーション

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