安易に行ってはいけない住宅ローンの「繰上返済」

今回は、住宅ローンの「繰上返済」に関する、筆者の考えをご紹介します。 ※本連載は、株式会社タカ・コーポレーション代表取締役、中村 隆氏の著書『続・究極の不動産投資術』(株式会社タカ・コーポレーション)の中から一部を抜粋し、不動産の購入から、入居者募集、物件の維持管理まで、「究極の不動産投資術」の具体的な内容を解説します。

ホームレスに転落してしまう人の共通点とは?

人間いくら強くても衣食住の住はやはり自分の居場所であり、一番落ち着く場所、正に心の拠り所なのです。この心の拠り所である自宅を失えば普通の人間だったらがくっと落ち込みます。精神的ダメージが大きいのです。

 

私は本を読むのが趣味でよく読みます。以前『今日、ホームレスになった―13のサラリーマン転落人生』(増田明利著)という本を読みました。いわゆる失敗談を読むことでそれを予防するためです。その本では、幸せな普通のサラリーマンがリストラ等で家のローンが払えなくなりホームレスに転落していく過程が載っていました。私はそれを読んで未然に防止できた共通の過ちがあることがわかりました。読者の方が万が一ホームレスにならないようによく聞いてください

 

それはまとまったお金が入った時、例えば会社を辞めて退職金が入った時の使い方が共通していました。すなわちまとまった現金を家のローン返済に充てていたのです。優先的にローン返済をして現金の持ち高を減らしていたことが共通点でした。

 

せっかく「期限の利益」があるのにもかかわらず最後までこの権利を行使しないで我先にローン返済に走っていき生活を食いつなぐのに絶対必要な現金を使ってローン返済してしまっているのです。そしてお金がなくなりホームレスに転落しているケースが結構あることに気が付きました。

現金が手元にあっても、銀行のローン返済は後回しに

例えばこういうケースを考えましょう。

 

45歳のA氏は今はやりの自己都合での早期退職制度を利用して会社を辞めて退職金を2000万円受け取りました。その大切な2000万円の内1800万円を家のローン返済に回しました。そして残りの200万円で再就職が見つかるまでの生活費に充てようとしました。ところが意に反して一向に就職先は決まりませんでした。200万円も半年も経ずになくなってしまいました。とうとう家を売却しましたが残債が残っていたため、手元には300万円しか残りませんでした。それで1年食いつないでも就職先が決まらずとうとう離婚してホームレスになってしまいました。こういう例が結構多いのです。

 

次に対処方法を述べます。退職してまとまった退職金をもらっても銀行の返済には一切まわさないことです。普通の人は必ずといって良い程銀行にローン返済します。しかし、そうせずに現金のまま銀行預金するのです。そして再就職活動に励むのです。経済的余裕が精神的余裕を生みます。それは面接時の顔や態度や服装にも表れます。その結果精神的余裕がなく経済的にせっぱつまった人よりも早く就職先が決まります。

 

そして再就職先が決まって経済的に落ち着いてからローン返済について検討するのです。生活のメドがたってからでもローン返済は遅くないのです。待ってくれます。一番大事なことは生活するためのキャッシュなのです。これが失敗しない要諦です。

 

現金があれば家も借りられます。服も買えます。食料も買えます。普通に暮らせます。最後にまとめます。早期退職制度を利用して会社を退職される方はこれからも多くいらっしゃるので、退職金を受け取った際は再就職先が決まって生活のメドが立つことが確認できるまで自宅のローン繰上返済を待つべきです。いったん返済してしまったら後でお金が必要になっても銀行は簡単には貸してくれません

株式会社タカ・コーポレーション 代表取締役

1958年生まれ。京都育ち。1982年中央大学法学部卒業後、大手証券会社に就職する。
サラリーマン時代に宅地建物取引主任者の資格、証券アナリストの資格、CFP の資格を取得する。
2005年2月に銀座で1LDK のマンションを購入して、不動産業を開始する。同年7月に神奈川県相模原市に2棟のアパートを購入し、同年9月に同県厚木市に1棟のマンションを購入する。2006年7月に栃木県小山市に1棟のマンションを購入して全室94室のオーナーになる。同年11月に長年勤めた会社を退職して(株)タカ・コーポレーションの代表取締役社長に就任する。
2011年3月、(株)リストワールインターナショナル(北海道知事 石狩(1) 第7829 号)代表取締役に就任する。
2014年から2015年にかけて個人所有の不動産を全て売却する。2014年から株式会社タカコーポレーション名義で競売にて地方の割安物件を購入し始める。2015年6月株式会社タカコーポレーション本社を目黒区から港区赤坂に移転する。
2016年1月東京都の経営革新計画にかかわる承認(安価な賃貸住宅の提供)を取得する。
現在保有物件は北海道に40室マンションを2棟、8階建てビル1棟、4階建てビル1棟、ホテル1棟をはじめ
秋田県に40室、マンションを2棟、5階建てビル1棟、戸建てを2戸
青森県に戸建てを1戸、
岩手県に40室マンションを2棟、戸建てを2戸、
宮城県に戸建てを1戸、
新潟県に4階建てビル1棟、ペンション1棟、
富山県に戸建て1戸、
群馬県に2階建てビル1棟、戸建て3戸、
神奈川県に戸建て1戸、
静岡県に3000坪の土地、旅館1棟

地方の自社保有物件の管理は東京本社で行い、防犯カメラ設置によりリアルタイムの現地の様子を把握するとともに、部屋の掃除等のため1週間から2週間、現地に出張もしている。
このような今までの経験やノウハウを活かし全国の大家さんの不動産賃貸経営の相談に応じ支持を得ている。
現在、全国の大家さんの無料相談・業者紹介・火災保険見積もり・投資用不動産購入相談・仲介業を営む。

■タカ・コーポレーション
http://www.taka-corporation.net/

著者紹介

連載満室経営のノウハウを公開! 究極の不動産投資術

本連載は、2012年3月20日刊行の書籍『続・究極の不動産投資術』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

続・究極の不動産投資術

続・究極の不動産投資術

中村 隆

株式会社タカ・コーポレーション

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