たった1年で500万円…急激に減る残高
退職後、少しゆっくりしたいと考えた松本さん。お金もあることだしと、国内・海外旅行に繰り出しました。平日に自由に動き回れることは、松本さんにとってこの上ない贅沢でした。
そんなことをしているうちに、「もう少し自由にしてもいいだろう」と、結局1年間を何もせずに過ごしたのです。
しかし、松本さんもさすがに現実を直視するようになりました。
「恐ろしい速さで残高が減っている……」
お金があるからと、基本の生活費に加えて旅行、買い物、趣味にお金を使った結果、失業手当を差し引いても、500万円ほどを使ってしまっていたのです。
松本さんは何にいくら使ったのか、きちんと計算もしていませんでした。しかし、何の贅沢をしなくても、月の生活費で20万円程度は消えていきます。贅沢をすれば、その分上乗せでお金が減るのは当然です。
そんなとき、ふと頭によぎったのが、友人が語っていた「投資でお金を稼ぐ」という一言でした。
友人の話を思い出し、自分も投資でお金を取り戻せばいい、増えれば一生働く必要もない……。そう安易に考えた松本さん。
しかし、そこで始めたのはFIREの基本「年利4%ルール」などは無視した、個別株の短期売買。とにかく失った500万円を早く取り戻したかったのです。
もちろん一撃で数十万を得られることもありましたが、素人が簡単に勝てる世界でもありません。結局、じわじわと負けが続き、投資から手を引きました。
