消費者団体の会員数が減少したワケ
さらに、消費者団体は会員数の減少に見舞われていた。
消費者団体会員数(「広域団体」)は、1985年度には1,265万人であったが、2000年度には762万人へと大きく減少している(『消費者団体基本調査結果』2009年)。たとえば主婦連でも、1990年代には「地域組織の会長が高齢で辞めると会そのものが消えてしまう」事態に直面していた(『日本経済新聞』1993年12月12日付)。
消費者団体の退潮は、アマチュア女性によるボランタリーな活動の限界によるところが大きかった。消費者=主婦という認識に依拠してきた活動のあり方は、男性を運動に引き込むことを妨げ、たとえば主婦連が規約改正で男性の入会を認めたのは、ようやく2000年になってからであった(『読売新聞』2000年7月6日付)。
また、主婦連の商品テストは、1998年に、主婦会館の建て替え時に試験室を設けないこととして廃止されたが、「設備や費用の点で、一民間団体だけではもう難しい」ことがその理由であった(『朝日新聞』1998年1月11日付)。
しかし、消費者問題がなくなったわけでは当然ない。【図表】として、国民生活センターに寄せられた消費生活相談の件数を整理したが、これを見ても1990年代にむしろ件数が大きく増加している。
この数字の変化自体は、相談体制の整備や認知度の向上など複合的な要因を踏まえて評価しなくてはならないが、少なくとも消費生活相談が不要になる事態に至らなかったことは間違いない。内容構成の変化からは、販売方法や契約をめぐって高度化・複雑化する消費者問題の展開を読み取れよう。
この点をめぐって、1990年代の主婦連では、「専門の弁護士の力が必要な金融や不動産の制度、法律などとっつきにくい問題が増えた」ため、「一般の主婦には分かりにくいので新しい人が来ない」と見ていた(『日本経済新聞』1993年12月12日付)。消費者問題が高度化・複雑化するなか、運動の側にも高度な専門性が不可欠になっていたのである。
満薗勇
北海道大学大学院経済学研究院准教授
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