AIの登場でコンサルティング職が消滅する?
ひとつの予見として、これから戦略策定と戦略実行サポートの部分にAIが浸食してくると思われます。ChatGPTの登場で、これが一気に加速しています。
現時点ではデータマーケティング分野などが主流ですが、戦略フレームワークをその企業や事業の状況、課題に適した形でどう使えばよいかを提案するAI、クライアント企業の事業情報、経営情報を解析したうえで、もっとも望ましいと思われる戦略案を提示するAIなどが出現してきています。おそらく3年内くらいで、あっという間に普及することでしょう。
よって、コンサルティング業務がAIに代替されるのはかなり近い近未来のことであり、従来型の「本来的な」コンサルタント職のニーズは10年内にはほぼ消滅すると思います。
消滅後に残るものは、コンサルティングというよりは基礎教育や研修のような類だと思われます。これまでコンサルタントに支払ってきたような高額な報酬は成り立ちようがありません。
これからも求められ続けるための必勝法
これは営業職やマーケティング職についても同様にいえそうです。「営業は足が命」を笑うタクシーの車内CMが以前、流れていましたが、営業もフィールドセールスからインサイドセールスヘ。戦略的マーケティングはデジタル主体でマーケティングオートメーションの導入・運用へと主軸が移行しています。
戦略的なことはAIが行い、人がやるのはそこで出された指令のうち、デジタルには乗らないライブ、生身の人が動かざるを得ない部分の実行、というような役割分担がすぐ目の前に迫っているのかもしれません。
これからもしコンサルタント職や営業職、マーケティング職が生き残るとしたら、まさに「物理的に動く必要がある部分でのアウトソーシング」と「取引先顧客にコミュニケーションの気持ちよさや楽しさを与えるエンタテインメント」を提供できる人(&企業)に限られていきそうです。
果たしてこれを、いまコンサルティング業界に属している人たちやこれからファームを目指している人たちが「コンサルタント」「コンサルティング会社」と呼ぶでしょうか?
いずれにしても、コンサルタント職というものが次の10年、生き残るとしたら、中身はこれまでとはまったく違う人種の集団となることは間違いありません。
営業職やマーケティング職についても同じく、これまでの職務定義や業務内容で捉えていると、これからの職種ニーズにはミスマッチな人材となってしまうでしょう。
さて、では、あなた自身の業務における提供価値的強み・差別化ポイントは、「エンタテインメント」か、「教育」か、「アウトソーシング」か。3つの側面における強みを意識し、そこを面接時にもしっかり表現すると、応募先企業のあなたの見方がちょっと変わることでしょう。
このことに自覚的であり、それを軸に今後の職務ニーズや業界展望などを加味してご自身のキャリア展開を考え動いていくことが、あなたがこれからも求められ続けるための必勝法となるのです。
井上 和幸
株式会社 経営者JP
代表取締役社長・CEO
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