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他人はなんのためにいるのか?
他人はなんのためにいるのでしょうか。自分と比べることによって自分を知るためです。でも、そのことに気づかないまま、とても多くの人が自分と他人を比べることで苦しんでいます。
ただちょっとしたきっかけによって、その苦しみが大逆転することも少なくありません。ほとんどの人は、他者の存在を通して自分を知り、自分の長所や特技を磨くことで、自信を取り戻していきます。大切なのは「意識」と「心がけ」です。信徒さんが実際に経験したエピソードは、きっと苦しんでいる人にとって大きな気づきになるはずです。
豪快な父への劣等感
私は、小学生の頃はスポーツが得意で、いつもクラスの中心グループにいました。その頃は楽しく、毎日張り切って学校に行っていたものです。でも、中学に上がると、まるで逆の立場になり、いるかいないか分からない、クラスの端っこで大人しくしている存在感のない生徒になっていたのです。
小学校の同級生は別の中学に行ってしまい、私が進学した中学校には知り合いはほとんどいませんでした。また、クラスでも友達ができず、周りに頼れる人がいない状況で萎縮してしまいました。私は自信を失い、口数も減り、目立たないようにして学校での時間が過ぎるのをただただ待っているような日々を過ごしていました。
そんな苦しい時間を過ごし、ようやく3年生になったとき、父と担任の先生と三者面談をすることになりました。その翌日、担任の先生から言われた言葉に私はとても驚いたんです。
「お前の父ちゃんは豪快やのう! お前にもその血が流れてる」
私はそれまで、豪快な父と真逆の性格である自分を比べて、劣等感に苛まれていました。しかし先生のその言葉をきっかけに、より一層自分と父親を比べてしまい、自分を卑下するようになってしまったのです。
悩みの尽きない日々を過ごすなかで、法ノ宮で新たな気づきが得られました。そこで教えられたのが「あなたにはあなたの良さがある。あなたでなければならないことがある。あなたの役割がある」ということでした。住職の言葉は私の心の中にスッと溶け込み、まるですべての悩みや苦しみから解放されたような感覚を覚えました。本当にそのとおりだ、私は勝手に父と比較し、自分自身と向き合えていなかったと気づかされたのです。
それから私は、自分の得意なことに目を向けられるようになり、自信を取り戻すことができました。自分以外の他人と比べ、自分を否定することはただ自分自身を苦しめるだけだったのです。
あのとき苦しんだからこそ、「私には父とは違う“良さ”がある」と自覚することができたのだと思います。幼い頃の経験と、思春期に感じた苦しみ、両方味わったからこそ、人の心を知ることができました。今ではこれで良かったと心から思います。
Aさんは「喜び」と「苦しみ」の両方を経験したからこそ、確固たる自信が芽生え、人に優しくなれたのです。人の心を深く知ることができ、結果的にすべて良かったとうれしく思います。
