富裕層にも、富裕層を目指す人にも読んでほしい
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自分の本当の心と向き合い、夢を見つける
つらい経験を乗り越えて、自分に合う仕事に出会ったことでやりがいを感じながら生きているある女性がいます。今やりたいことが見つからずに悩んでいる人は、Eさんの前向きな変化が参考になるはずです。
辛い経験と依存を乗り越えられたワケ
私は、高校1年生のとき、コンセントに溜まったホコリから発火し家が全焼してしまい、父と弟を亡くしました。祖父、母、私は命からがら逃げおおせましたが、そのとき私は2階から飛び降りて左足を骨折してしまいました。
その後は亡くなった父方の祖母が同居して、家のことを助けてくれる生活を送っていました。母は毎日のように車で私を外に連れだし、ふさぎこまないよう気遣ってくれましたが、1カ月くらいは毎日父と弟のことを考えて泣き続ける生活を送っていました。そして1カ月を過ぎる頃には、そんな苦しさがストレスとなり、父や弟のことは考えないようにして、ほかに目を向けるようになっていました。
それでも、なにかちょっとした瞬間に思い出してしまい、突然涙ぐんでしまう毎日でした。この苦しさを人に話しても共感されるわけでもなく、買い物や友達との長電話をしてそこに依存してしまったのです。それに、寂しさやストレスを抱えきれなくなり、ちょっとしたことでイライラしたり、怒りやすくなったりしていました。
そんな不安定な状態が2年半ほど続きました。骨折した足を引きずっていたこともあり、ますます劣等感を抱えるようになり、どん底まで落ち込んでいきました。無理やりほかのことに目を向けることで心を落ち着かせ、乗り越えたのだと思い込むようにしていました。
しかし実際は、寂しさを紛らわすために買い物をしたり、友達と電話をしたりしていただけで、本当はまったく乗り越えられてなどいなかったのです。当時の私の携帯料金は月6万円を超えていました。
周囲の人はそんな私に同情し、「かわいそう」と言って優しくしてくれました。しかしそれによってどんどんわがままになり、歯止めが利かない状態になっていました。当たり前のように非常識な態度をとり、周りの人がなにも言わないことを良いことに、バイト先でもイライラした態度をまき散らしていたのです。
そんな生活を送るなかで、私は自分が死んだあとのことに興味が湧くようになりました。しかしそのたびに「生命を失ったら無になるのか」と考えると、とてつもない不安感に襲われていました。
また、将来のことを考えてみても、このままでは社会に出られないかもしれないという不安が強くなり、追い詰められているような気持ちになっていました。そのときの私は、自律神経失調症の手前まで来ていました。そんな絶望の淵に立たされたとき、御縁があって法ノ宮に相談に行ったのです。
今思えば、私は話しながらいつも携帯ばかり見るという非常識な態度でしたが、それでも住職は根気強く話を聞いてくれました。また、失礼な私に対し、「寂しかったでしょ」と声をかけてくれ、一緒に泣いてくれたのです。
そのとき私は、初めて自分の本心に気づきました。住職の温かい言葉によって、氷のように冷たく固まっていた私の心が解けていき、「寂しい」という本当の心の声が聞こえてきたのです。それまで表面的に寂しさや苦しさを紛らわせていたために、なにが苦しくてなにが寂しかったのか分からなかった私ですが、そこでようやく自分の本当の心を自覚することができました。
それからは毎日心をさらけ出して話すことによって、自分の心の状態をより深く理解できるようになっていました。すると、心が少しずつ満たされていく実感がありました。住職とお話をし、承認欲求が満たされるにつれて、心が前向きに変わっていったのです。これまで買い物や友達との長電話で埋めることができなかった心の空洞が、徐々に埋まり始め、ついにはそれらへの依存をやめることができました。
それから私は、通信制の学校に行き高校卒業資格を取り、介護の仕事に就きました。そしてある日、職場の方から「看護師になったら」と言われたとき、これは神様から言われているんだと感じました。そして看護学校に挑戦しようと思い勉強を始め、実際に看護師になる夢を実現することができたのです。
看護師として働き始め、職場の方からの紹介をきっかけに結婚をし、子どもも授かりました。今、私は素晴らしい夫と子どもに恵まれ、幸せです。
火事でお父さんと弟さんを亡くすというつらい経験のなかで、自身の心と向き合うことができなくなっていたEさん。心の隙間を埋めるため、本心を隠す日々を過ごしていましたが、その結果、希望を失い、自分自身の心が壊れていってしまいました。大きな悲しみや苦しみを前にしたとき、人はなにかにすがろうとしてしまうものです。
しかし、自分の本当の心と向き合い、自らをさらけ出すことができれば、いつか必ず道が拓けます。すぐに立ち直れなくてもいいのです。けれど、希望に満ちた明るい未来が来ることを信じて、少しずつ歩を進めることが大切です。
沼田法海
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