第2ステップ「フレーミング」
第2ステップの具体的な手法は、「フレーミング」です。顧客が希望する条件に合わせて、家探しで必ず押さえるべきポイントの枠を決めるイメージです。
野菜でそのイメージを例えてみます。自然に優しい栽培をしているものが食べたいという条件があれば、その人は有機野菜を選ぶはずです。ちょっとおいしい、ちょっと変わった野菜が食べたいという条件がある場合は、ブランド名がついたものや、有名な産地のものを購入します。
「フレーミング」とは、購買するときの基準を顧客に与えることを指します。さまざまな条件をすべてクリアする家を探していくのは、とても骨が折れる作業です。ここよりもいいところ、さらにいいところと、上ばかりを見ていくと、結局予算とのバランスがとれず、かといって妥協もできず、顧客は購買を決めることができません。住宅についても同様です。顧客それぞれに合った条件を踏まえて、その基準で住宅を選べるように誘導する必要があるのです。
例えば、飽きのこない家がよいと思っている顧客がいるとします。その場合、住宅探しの条件に普遍的なデザイン性という条件を考慮して、その基準で家探しをおこなっていくべきです。この条件が入ることで、基準に満たない住宅を一気に排除することができます。絶対的な基準を決めておくことは、成約を決めるうえでの第一歩です。
第3ステップ「差別化」
第3ステップで大事なのが「差別化」です。顧客の基準を踏まえたうえで、自社が持つ強みもアピールして他社との差別化を図ります。この時点で顧客との信頼構築ができているからこそ、意味がある差別化になるのです。
実際にはフレーミングの手法と、差別化の手法を相互に行ったり来たりしながら、顧客に住宅を紹介していきます。また顧客との信頼構築の段階で、顧客の条件を聞いて、大きな基準になりそうなポイントがあれば、一緒にフレーミングもしていきます。用意したシナリオをなぞっていくのではなく、段階を意識しながら会話をしていくのです。
