参考にすべきは大手分譲マンション。「今度はいつどこに建つんですか?」と聞かれる分譲住宅「ブランディング」のコツは?

参考にすべきは大手分譲マンション。「今度はいつどこに建つんですか?」と聞かれる分譲住宅「ブランディング」のコツは?
(※写真はイメージです/PIXTA)

経営者であれば、極力少ないリスクで大きなリターンを得たいと思うものでしょう。「分譲住宅経営」において最小限のリスクで事業を成長させるには、どのような工夫が必要なのでしょうか。本稿では、「株式会社戸建分譲総研」代表取締役・奥村友裕氏の著書『分譲住宅ブランディング戦略』(幻冬舎メディアコンサルティング)より、顧客を振り向かせる分譲住宅の「ブランディング」を成功させるコツについて、詳しく解説します。

戸建分譲のリスクを踏まえたKPIを設定する

用地仕入れから開発、企画、販売、アフターメンテナンスと続くSPA戦略を実践するには、どのタイミングでどのような戦略意思決定を下すのが良いのかを明確にしておく必要があります。

 

例えば、用地契約の経過日数に応じて販売状況がどのような状態であるべきかという基準が明確になければなりません。蓄積した事業データから独自に指数化し、戸建分譲事業ならではの細かなKPIを設定することが必要なのです。

 

一人あたりの販売棟数(注文住宅経営の現場では、よくPH:パーヘッドと表現します)や、利益率だけを管理していたのでは戸建分譲事業はうまくいきません。「一区画あたりの販売期間は何カ月か?」など、戸建分譲事業では追いかけるべきKPIが異なるのです。

 

注意すべきなのは先に資金を投じて商品を販売して資金回収をするだけに、リスクと隣り合わせであるということです。KPIが異なるのに注文住宅事業の延長で、なんとなく始めた戸建分譲事業が、大当たりしたのに味をしめて用地仕入れを強化し、その後在庫に苦しみ経営をひっ迫するという例は枚挙にいとまがありません。

参考にすべきは大手分譲マンションのブランディング戦略

では、リスクを最小限にしながら、大きなリターンを得て着実に事業を伸ばしていくためにはなにが必要か──それはブランディングです。

 

ブランディングというと、「自社の魅力や強みをアピールすること」と勘違いしている企業が多いのですが、顧客が知りたいのは、それを買えば自分はどのような生活を送れるかという、顧客の想像力を手助けするのに役立つ情報です。

 

家の情報と聞いて一般的に思い浮かぶのは、間取りや近隣にある学校や公共施設などのロケーション情報ですが、これらはブランディングという意味ではあまり役に立ちません。ブランディングにおいて大切なのは実際に現地に行ってみたいと思わせる動機づけです。

 

その家でどのような生活ができるのか、どのような気持ちになるのか、どのような人生を歩むことができるのか、つまり住みたい、最低でも現地を見てみたいと思わせられる情報を最初に提供することで、ブランディングが実現できるのです。

次ページ顧客を振り向かせる分譲マンション「ブランディング」のコツ

※本連載は、奥村友裕氏による書籍『分譲住宅ブランディング戦略』(幻冬舎メディアコンサルティング)より一部を抜粋・再編集したものです。

分譲住宅ブランディング戦略

分譲住宅ブランディング戦略

奥村 友裕

幻冬舎メディアコンサルティング

デザイン力・営業力・マーケティング力を身に付け 大手メーカーに負けない独自ブランドを確立する! 我が国の新設住宅着工戸数は、1991年度の167万戸をピークに下降の一途をたどり、2022年度には86万戸に減少し、2040年度…

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