かつてサラリーマンの夢だった「注文住宅」の人気は半減…大手ハウスメーカーまでも本格参入する「分譲住宅」が好評の背景

かつてサラリーマンの夢だった「注文住宅」の人気は半減…大手ハウスメーカーまでも本格参入する「分譲住宅」が好評の背景
(※写真はイメージです/PIXTA)

昭和から平成にかけて一戸建てのマイホームを建てることがサラリーマンの夢だったこともあり「注文住宅」が人気でした。しかし、2014年より「分譲住宅」が注文住宅の着工戸数を追い抜きました。この流行を見越して、大手ハウスメーカーも分譲住宅に本格参入しつつあります。「株式会社戸建分譲総研」代表取締役・奥村友裕氏の著書『分譲住宅ブランディング戦略』(幻冬舎メディアコンサルティング)より、ライフスタイルに合わせてデザインできる注文住宅よりも分譲住宅が人気となった背景について、詳しく解説します。

注文住宅と戸建分譲住宅の着工戸数に変化が表れている

戸建分譲住宅の着工戸数が増えています。住宅業界ではかつて、戸建分譲住宅よりも注文住宅のほうが着工戸数が多い傾向がありましたが、変化が表れています。

 

[図表1]は、一般社団法人住宅生産団体連合会が公表する顧客実態調査のデータから、首都圏の一戸建て着工戸数をまとめたものです。確かに2013年は注文住宅の着工戸数が分譲住宅を上回っていましたが、2014年以降は分譲住宅の着工戸数のほうが注文住宅より多くなっています。

 

※一般社団法人住宅生産団体連合会/顧客実態調査より著者作成 出所:『分譲住宅ブランディング』(幻冬舎)より抜粋
[図表1]首都圏の一戸建て 着工戸数 ※一般社団法人住宅生産団体連合会/顧客実態調査より著者作成
出所:『分譲住宅ブランディング戦略』(幻冬舎メディアコンサルティング)より抜粋

 

優位だった注文住宅が劣勢になり、劣勢だった分譲住宅が優位になるという現象はなぜ起きたのか。理由は主に二つあると考えられます。

 

一つ目は「住宅価格の上昇」です。一般的に注文住宅は分譲住宅より割高になる傾向があります。なぜなら家のデザインや間取り、設備機器など一つひとつを顧客と設計者との間で決めるオーダーメイド方式で建てられるからです。

 

さらに現在は円安などによる資材高の影響を受けて国内の建築原価が上昇しています。それだけでなく、2013年以降は地価も上昇しています。つまりトータルで住宅価格全体が上昇しており、これまでギリギリ注文住宅を購入できていた層にとっては予算オーバーという状況になっています。[図表2]

 

出所:『分譲住宅ブランディング』(幻冬舎)より抜粋
[図表2]この2 年間に持ち家(注文戸建) を建てた顧客の変化 出所:『分譲住宅ブランディング戦略』(幻冬舎メディアコンサルティング)より抜粋

 

実際この2年で注文住宅を建てることができた顧客のなかでも、当初の予算をオーバーしたり、方針を変更したりという人が増えています。

 

次ページ2つ目の分譲住宅が増加した要因

※本連載は、奥村友裕氏による書籍『分譲住宅ブランディング戦略』(幻冬舎メディアコンサルティング)より一部を抜粋・再編集したものです。

分譲住宅ブランディング戦略

分譲住宅ブランディング戦略

奥村 友裕

幻冬舎メディアコンサルティング

デザイン力・営業力・マーケティング力を身に付け 大手メーカーに負けない独自ブランドを確立する! 我が国の新設住宅着工戸数は、1991年度の167万戸をピークに下降の一途をたどり、2022年度には86万戸に減少し、2040年度…

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