注文住宅と戸建分譲住宅の着工戸数に変化が表れている
戸建分譲住宅の着工戸数が増えています。住宅業界ではかつて、戸建分譲住宅よりも注文住宅のほうが着工戸数が多い傾向がありましたが、変化が表れています。
[図表1]は、一般社団法人住宅生産団体連合会が公表する顧客実態調査のデータから、首都圏の一戸建て着工戸数をまとめたものです。確かに2013年は注文住宅の着工戸数が分譲住宅を上回っていましたが、2014年以降は分譲住宅の着工戸数のほうが注文住宅より多くなっています。
優位だった注文住宅が劣勢になり、劣勢だった分譲住宅が優位になるという現象はなぜ起きたのか。理由は主に二つあると考えられます。
一つ目は「住宅価格の上昇」です。一般的に注文住宅は分譲住宅より割高になる傾向があります。なぜなら家のデザインや間取り、設備機器など一つひとつを顧客と設計者との間で決めるオーダーメイド方式で建てられるからです。
さらに現在は円安などによる資材高の影響を受けて国内の建築原価が上昇しています。それだけでなく、2013年以降は地価も上昇しています。つまりトータルで住宅価格全体が上昇しており、これまでギリギリ注文住宅を購入できていた層にとっては予算オーバーという状況になっています。[図表2]
実際この2年で注文住宅を建てることができた顧客のなかでも、当初の予算をオーバーしたり、方針を変更したりという人が増えています。


