(※写真はイメージです/PIXTA)

一般的な住宅セールスのスタイルは、「セールスの本来の目的」を見落としているといいます。住宅を購入することで顧客がたどり着きたい未来について、一緒に模索する関係性を構築することがセールスにつながるのです。本稿では、「株式会社戸建分譲総研」代表取締役・奥村友裕氏の著書『分譲住宅ブランディング戦略』(幻冬舎メディアコンサルティング)より、セールスを伸ばすための3つのステップについて、詳しく解説します。

顧客がたどり着きたい未来へと導くのが本来のセールス

経営者にとって、自社のセールスの課題を解決することは重大なテーマです。そのためにはまず、セールスとは本来、何を目的におこなうものなのかを考える必要があります。

 

私は、顧客がたどり着きたい未来(顕在的にも潜在的にも)へと導くものであるととらえています。

 

私のキャリアは、住宅のセールスではなく、経営コンサルティング業から始まりました。一見セールスと関係していないようですが、実は大いに関係しているのです。

 

経営のコンサルティングをおこなう場合、対象の顧客の多くは企業の「経営者」です。経営者が自社や自身のたどり着きたい場所に進めるような道筋を示しながら、そのために取り組むべき内容を提案するのです。同じようにセールスも、顧客の未来のありたい姿について、セールスと顧客が合意を取りながら、その未来への期待を増幅させることにほかなりません。

 

例えば自動車は、それを手に入れることで移動手段が増え、利便性が向上するメリットだけでなく、かっこいい車を所有することへの喜びも得ることができます。さらに、車を購入するという行動には、今よりも未来を良くしたいという期待が込められています。

 

その感情をより大きく抱いてもらうためには、セールスは、今よりも顧客の生活が豊かになるという前提で提案していく必要があります。良いセールスであるためには、顧客がよりよい未来を手にすることを約束する覚悟が求められるのです。

 

一方で、人は何かを決断するときに失敗を避けたいという心理が働きます。何かを購入することで失うものがあるのではないか、失敗するのではないかという不安を抱えているのです。特に高額な買い物をする場合は、「こんなに大きな金額を投資するのだから絶対に失敗したくない」という損失回避バイアスが強く働きます。

 

住宅は特に一生に一度の買い物になる顧客が多く、最初で最後の購入になることが少なくありません。どのような顧客も、住宅を買うことで叶えたい未来があり、そして失敗は避けたいという思いを抱いています。

 

このような心理を持つ顧客に寄り添うためには、住宅購入を目標として、そこまでの道筋をどのように示せばよいかをセールスが考えることが重要です。理想のマイホームを手に入れるためには、どのような行動をすればよいかを顧客とともにコンサルテーションしていくイメージです。

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※本連載は、奥村友裕氏による書籍『分譲住宅ブランディング戦略』(幻冬舎メディアコンサルティング)より一部を抜粋・再編集したものです。

分譲住宅ブランディング戦略

分譲住宅ブランディング戦略

奥村 友裕

幻冬舎メディアコンサルティング

デザイン力・営業力・マーケティング力を身に付け 大手メーカーに負けない独自ブランドを確立する! 我が国の新設住宅着工戸数は、1991年度の167万戸をピークに下降の一途をたどり、2022年度には86万戸に減少し、2040年度…

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