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青天の霹靂「大暴落」
マイホームを購入して5年後、飯田さんご夫妻は資産のほとんどを投資信託に預け、順調に積み立てを継続していました。ところがこのころ、リーマン・ショック級の世界的な暴落が起こったのです。
各国ではほぼすべての指標が下落し、とりわけアメリカ株はその影響を大いに受けました。「なにが起こってるの? 私たちのお金が毎日すごい勢いで減ってる……」ゆかりさんは青ざめた表情で武さんの肩を揺さぶります。飯田さん夫妻もほかの例にもれず、100%アメリカ株に投資していたのです。その資産は4割ほどに下がってしまいました。失った金額は5,000万円を超えています。ゆかりさんに頼られたところで、武さんにもなにが起こっているのかわかりませんでした。
「ごめん。俺もどうしたらいいかわからないから、同僚に相談してみるよ」 武さんはやっとの想いでそれだけ口にして、翌日同僚に相談することにしました。
ところが、 翌日の同僚は仕事もそっちのけで上の空。とても話しかけられるような雰囲気ではありませんでした。聞いた話によると信用取引で大きな借金を作ってしまい、自己破産を視野に入れているとのこと。これではとても頼りになりません。
武さんは自分の判断で、これ以上資産を失う前に積み立て設定を解除し、すべての投資信託を売却しました。
ところがその2ヵ月後、アメリカ株は回復の兆しを見せ始め、みるみるうちに株価をあげ ていったのです。そのチャートを見て武さんは、精神を病んでしまいました。ゆかりさんは仕方なかったとはいえ、夫を責めること以外に感情の発露ができませんでした。
「最初に言った話と全然違うじゃない! なんであのとき勝手に投資信託を売却したの? 家を買ったときより資産が減っていて、あの子の学費はどうするのよ! 私たちの老後もどうするつもりなの!」
武さん自身も怒鳴りつけたい気持ちがありましたが、自分がしっかりしなければ家族が崩 壊する……その一心でなんとか言葉を飲み込み、「本当にごめん、なんとかするから」とゆかりさんをなだめました。ところがこれも家庭にとっては悪手でした。武さんはあらゆるプレッシャーをその身に背負い、ついに精神を病んでしまったのです。
一時的な大暴落をきっかけに、飯田家は資産の半分近くと、健康を失いました。営業職だった武さんは、その健康状態に起因してやむをえず事務職に転向しました。それにより年収も半分以下に……。住宅の維持も、子どもの教育費の工面も、老後の理想も絶望的でした。
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