妻子のため50歳で家を購入。「85歳完済・住宅ローン」に意気込む年収2,000万円のエリートサラリーマン、55歳で人生に絶望… 原因は「2024年に多くの人が直面した悲劇」【FPが解説】

妻子のため50歳で家を購入。「85歳完済・住宅ローン」に意気込む年収2,000万円のエリートサラリーマン、55歳で人生に絶望… 原因は「2024年に多くの人が直面した悲劇」【FPが解説】
(※写真はイメージです/PIXTA)

結婚をすると、夫婦で協力して資産を築き上げていきますが、お金に関する問題は夫婦間の関係に亀裂を生む原因となることも。特に住宅ローンや資産運用といった重要な決断は、夫婦で十分に話し合い、情報を共有することが不可欠です。本記事では、飯田さん(仮名)の相談事例とともに、住宅ローンと資産運用におけるリスクとその対応策について、波多FP事務所の代表ファイナンシャルプランナー・波多勇気氏が解説します。※プライバシー保護の観点から、相談者の個人情報および相談内容を一部変更しています。

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住宅ローンの決断と今後の資産形成計画

営業職の飯田武さん(仮名)は、45歳のときに5歳年下の妻、ゆかりさんと出会いました。ゆかりさんは別の部署の事務員でしたが、とある飲み会をきっかけに意気投合。すぐに交際を始め、結婚を決めます。周囲からはスピード婚と少しからかわれました。 

 

入籍後、武さんが年収2,000万円と家計に余裕があったこともあり、ゆかりさんは退職して家庭に専念することに。「もう40歳を過ぎているけど、子どもは欲しいね」と二人で共通の理想を持っていたことが結婚の決め手のひとつです。 

 

幸運なことに、ほどなくしてゆかりさんは妊娠、41歳で出産を果たしました。夫妻にとってこのうえなく理想的な結婚生活に、家庭には笑顔が絶えませんでした。特に武さんはそれまで自身が結婚しなかった理由として「理想が高すぎた」と言っています。そんな武さんが理想の結婚生活というのですから、相当にゆかりさんと馬が合ったのでしょう。

 

もうすぐ50歳だが…子どものためにマイホームを購入

子どもが4歳になったころ、ゆかりさんから武さんに相談が。 

 

「この子が小学生になったら、自分の部屋を持たせてあげたいと思っているの。晩婚だった分、勉強する環境はしっかり整えてあげたいのよ」 

 

武さんは妻からの提案に共感し、「それならいっそマイホームを購入しよう」と意気込みました。ゆかりさんは武さんがもうすぐ50歳であることに年齢的な不安を覚えましたが、年収が高いこともあって問題ないだろう、と考えることにしたのです。 

 

これまでスムーズに理想を叶えてきた飯田さんご夫妻は、さっそく家を購入し、住宅ローンを組みました。ローンの金額は約1億円と高額でしたが、収入が高いこともあり返済負担率は収入の20%程度に抑えることができそうです。 

 

武さんは同僚から、「住宅ローンは金利が低いから、しっかり長期間借りてあまった資産は運用したほうが効率いいよ」とアドバイスを受けていたため、金融機関を厳選して35 年ローンを組むことにしました。通常、住宅ローンの返済期限は80歳までとされることが多いものの、なかには85歳を限度に借入ができる金融機関もあります。 

 

飯田さんご夫妻は、お互いに独身期間が長かったこともあり、1億円超の貯蓄があったことも理由に、無事住宅ローンの審査がおりました。金利は固定金利で1.5%ほど。資産形成に詳しい同僚の話によると、投資信託は6%程度の年利が期待できるとのことだったので、計画は盤石に思えました。 

 

ゆかりさんはここでも一抹の不安を覚えていましたが、武さんから同僚に聞いた話を丁寧 にゆかりさんに聞かせたことで夫婦ともに安心感を得ることができました。ところが5年後、家族を悲劇が襲います。リーマン・ショック級の大暴落と、武さんの病気です。 

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※プライバシーのため、実際の事例内容を一部改変しています。

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