(※写真はイメージです/PIXTA)

2012年のワールドシリーズ・オブ・ポーカー(WSOP)で日本人初優勝を果たし、投資家としても大活躍している木原氏と、新進気鋭のエコノミストであり、日本ポーカーの祭典JOPTで2度の優勝経験を持つエミン・ユルマズ氏。本記事では、エミン・ユルマズ氏/木原 直哉氏による書籍『「確率思考」で市場を制する最強の投資術』(KADOKAWA)を一部抜粋・再編集して、「地政学リスク」へのリスクヘッジについてご紹介します。

地政学リスクに備える投資とは

木原:僕が恐れているのは台湾有事です。どの程度株価に影響するかがまったく予想できないことも怖いです。

 

さすがにダイレクトに日本が攻撃の対象になるとは思いませんが、台湾が攻められる事態は十分起こり得ることです。過去に同様の事態がないこともあって、これが現実になったときには株式市場がパニックになるのは間違いないと思っています。

 

エミン:おっしゃる通り、これまでの国際紛争では、一時的にリスクオフの売りが起きたり、ボラティリティが高まることはあっても、基本的に戦争が大きな売り材料になることはありませんでした。むしろ遠くの戦争は買いといわれることもありましたね。


しかし台湾有事となると、戦線が近いだけに日本は否応なく巻き込まれるでしょうし、外国人投資家からも日本はリスクが高いと判断される可能性は高い。株を含めて日本の資産が一斉に売られる事態も、あり得ると思います。

 

木原:何かヘッジする方法はないでしょうか。

 

エミン:ひとつは、防衛関連銘柄を持っておくことですね。

 

木原:三菱重工業(7011)とか川崎重工業(7012)あたりを保有しておくのがいいんでしょうか。国の防衛予算は過去最大になっていますし、国策テーマのひとつに挙げられていますね。

 

エミン:もちろん、そういうど真ん中銘柄もいいのですが、単純に艦艇や戦闘機をつくる企業だけが防衛株とは限りません。防衛の範囲は国家安全保障に関わる領域としてサイバーセキュリティや食糧、燃料・資源関連などにも拡大しており、こうした企業も防衛関連銘柄ととらえてよいと思います。

 

食品の場合、中国産の食材が暴騰する可能性もあるので、中国産以外の食材の輸入ルートを開拓できた企業が強みを持つかもしれません。

 

木原:確かに、ウクライナ紛争では小麦などの穀物価格が上昇しましたし、原油や天然ガスも高騰したので、ヘッジとして機能しそうな気もしますね。ただ、原油や天然ガスは景気悪化に連動して下落しやすいのでそっちのリスクとの兼ね合いが気がかりです。

 

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※本連載はエミン・ユルマズ氏/木原 直哉氏による書籍『「確率思考」で市場を制する最強の投資術』(KADOKAWA)を一部抜粋・再編集したものです。

「確率思考」で市場を制する最強の投資術

「確率思考」で市場を制する最強の投資術

エミン・ユルマズ/木原 直哉

KADOKAWA

東大卒ポーカープレイヤー×新進気鋭のエコノミストの白熱”株”談義 2012年のワールドシリーズ・オブ・ポーカー(WSOP)で、日本人として初めて優勝した木原氏は、投資家としても活躍しており、経済メディアに多く出演して…

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