割り箸を出されることを“差別的”と感じる!?職場の日本人スタッフと「外国人スタッフ」の間で起こりがちな「異文化」同士のすれ違いを回避するコツ

割り箸を出されることを“差別的”と感じる!?職場の日本人スタッフと「外国人スタッフ」の間で起こりがちな「異文化」同士のすれ違いを回避するコツ
(※写真はイメージです/PIXTA)

「外国人介護人材」を採用する場合、「文化」の違いに注意しなければなりません。日本で生まれ育ったスタッフなら理解している生活習慣や風習も、外国人スタッフには一から説明する必要があります。そこで本記事では、社団医療法人啓愛会の理事長である井筒岳氏の著書『グローバル循環型 外国人介護人材活用』(幻冬舎メディアコンサルティング)より一部を抜粋・再編集して、日本人スタッフと外国人スタッフの間に起こりがちな「すれ違い」と、そうしたトラブルの予防策について解説します。

日本人スタッフと外国人スタッフとの間に起こりがちなすれ違い

日本人にとっては当たり前のことが、外国人には当たり前ではないことがあります。よくあるすれ違いには次のようなものがあります。

 

時間の感覚

日本の交通機関が数分の遅れで謝罪のアナウンスを流すことに多くの外国人が驚くように、日本は時間に非常に厳格な面があります。一方で、外国人スタッフのなかには時間をあまり気にせずに暮らしてきた人も多くいます。

 

外国人スタッフを受け入れる際には、時間に遅れることでどのような影響が出るのかをしっかり伝えて理解してもらわなければなりません。

 

ただ、日本人は始業時刻には厳しいのに終業時刻にはルーズであるという点があり、外国人からすると違和感があることも少なくありません。お互いに時間への感覚の違いを認識して、日本人も見直すべきところは見直す必要があるといえます。

 

謝らない

日本人は何かトラブルがあったときに、ひとまず謝っておくことで事を荒立てるのを防ぎ、円満に解決に導こうとする傾向があります。そのため、外国人スタッフが何かあったときにいっこうに謝ろうとしないと、悪いと思っていないのだろうかなどと違和感を抱くことがあります。

 

これは必ずしも外国人スタッフが自分は悪くないとか、自分の責任ではないと考えているわけではありません。表現や行動の仕方における社会規範の違いからくるものです。

 

日本人が常識だと思っている考え方や行動が外国人にとっては当たり前でないということを念頭においたうえで、外国人スタッフと接することが大切です。

 

物を「譲る」ことへのとらえ方

来日したばかりの外国人スタッフは衣類や家具などに足りないものがあって困っているのではないかと考えて、善意から、「私はもう使わないからあげる」などと言って譲るのは要注意です。

 

受け取る側は「本来捨てるようなものなのに、外国から来た自分なら使うのではないかと考えて贈ったのではないか」などと侮辱的な扱いを受けたと感じてしまうことがあるからです。

 

もてなし方

プライベートでの交流を深めようと、外国人を自宅に招待するときのもてなし方も要注意です。例えば、日本の食文化を知ってもらう機会にしようと考えて、一般的な家庭料理を振る舞ったらそれが裏目に出るというケースがあります。

 

客人をもてなすときは、いかに特別なごちそうを準備するかが歓迎の度合いを測る基準となっている国で育った人にとっては、日常生活と変わらない家庭料理を出されると「自分は歓迎されていないのではないか」という思いを抱かれてしまうことがあります。また、割り箸を出されることに差別を感じることもあるといわれます。

 

日本人の感覚でよかれと思ってやったことが、相手を傷つけることにもなりかねないので、日常的にコミュニケーションをとるなかで、相手の文化への理解を深めておくことが大切です。

 

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※本連載は、井筒岳氏の著書『グローバル循環型 外国人介護人材活用』(幻冬舎メディアコンサルティング)より一部を抜粋・再編集したものです。

グローバル循環型 外国人介護人材活用

グローバル循環型 外国人介護人材活用

井筒 岳

幻冬舎

世界の人材を日本へ、日本の介護を世界へ―― 日本の介護人材不足を救う外国人人材の育成と 外国の医療介護レベルを向上させる日本の介護ノウハウの伝授で好循環を生み出せ 超高齢社会に突入して久しく、介護を必要とす…

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