富裕層にも、富裕層を目指す人にも読んでほしい
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子どもに迷惑をかけるまいと老後資金を用意
Sさん夫婦は現在69歳の同い年。現役時代は夫を支えながら、妻は扶養の範囲内で働き、2人の息子を育て、67歳で仕事は引退し、穏やかな年金生活を楽しみはじめたおしどり夫婦です。
2人の息子たちは独立し、その後結婚。それぞれに子ども(孫)が生まれ、時折、孫を連れて遊びに来てくれるのも一つの楽しみとなっていました。65歳のとき、いままで勤めていた会社から「後進を育てるためにあと2年、継続雇用で働いてほしい」と懇願されました。特に既往症もなく健康なSさんは、身体もまだまだ動くし、この先なにかあっても息子たちに頼ることにはならないようにと老後資金を増やすためにも働くことを決意。サラリーマン生活を2年延長して頑張ってきました。
67歳になっていよいよ年金生活に。いままで仕事中心の生活で旅行する機会も少なかったため、妻と名所を巡りでもしながら、温泉に入り疲れを癒そうと、2ヵ月に1,2泊程度の小旅行を楽しんでいました。
Sさん夫婦の老後資金は退職金含め4,000万円、住宅ローンは退職金の一部を充て完済しました。年金額は65歳から67歳の2年繰下げし、次のとおりです。
※老齢基礎年金は2024年度満額。老齢厚生年金は差額加算を考慮せず。
〇Sさんの平均標準報酬月額は44万円、530月
〇妻の平均標準報酬月額は18万円、60月
妻の振替加算(昭和32年~昭和33年生まれの妻)は4万620円
Sさん夫婦の年金額は繰下げすることで月額29万円まで増やすことができました。公益財団法人生命保険文化センターによると、ゆとりある生活には月約39万円という調査結果ですが、夫婦2人で老後生活を送るうえで必要と考えられている最低日常生活費をみると、平均額は月額で23万2,000円となっています。Sさん夫婦の年金額は日常の老後生活を送るに十分な額といえそうです。
67歳で年金生活になり、これからの老後と終活、相続も視野にいれ、自分たちの想いを息子たちに伝えておこうと、お盆に帰省してきたタイミングで話をすることにしました。
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