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莫大な母の遺産を相続「老夫婦だけでは使いきれない」
荒井正夫さん(仮名/62歳)は早期にサラリーマン生活を引退し、10年ほど前に亡くなった父の遺産と繰上げ受給をしている年金で生活を営んでいました。そんなある日、施設に入っている母が亡くなり、3億円もの遺産を相続することに。
母の葬儀を終え、一人っ子だった新井さんは母の財産すべてを一人で相続することになりました。もともと無口なうえ、晩年はほとんど口を利けないような状態となった母からは、財産の総額を知らされていません。そのため、荒井さんは3億円という金額に大変驚きます。
しかし、「自分一人で相続するから、子供や孫たちにも使ってもらおう」と考えました。荒井さんは早速、子供たちの住宅購入資金や孫たちの進学資金の贈与を行います。また自分自身でも、憧れだったタワーマンションを購入したり趣味の車を買ったり、妻や子供たち家族と海外旅行に出かけたり、となんだかんだで気づけば豪奢を極めた生活になっていました。
相続財産約3億円のうち、2億円程度を一気に使ったので、妻からは「お義母さんの遺産はまだ1億円あるけれど、長生きするかもしれないし、人生のご褒美タイムは終わりよ。もとの生活に戻りましょう」といさめられました。「お金なんてあっという間になくなるものだなあ」と荒井さんも激減した資産額には驚くものの、それでも妻と同じで「まだ1億円ある」という余裕は変わらず。「もう子供と孫たちに贈与をすることもないし、なにも問題はない」と思っていました。
ところが数ヵ月後、荒井さんに税務署から相続税についての税務調査の案内が届きました。
