名義預金とみなされる具体的なケース7選
◇名義預金とみなされる具体的なケース
1.資金の出所が名義人ではない場合
- 預金口座の名義は母親や子供になっているものの、その資金が父親や別の人のものである場合。
- 例:父親が稼いだお金を母親や子供名義の口座に入れていた。
- 判断基準:預金の元となった収入源(給与、事業収益、退職金など)が名義人以外の人物のものである場合。
2.名義人が口座を管理していない場合
- 口座の通帳やキャッシュカードが、名義人以外の人物によって管理・利用されている場合。
- 例:父親が母親名義の口座を完全に管理しており、母親はその存在や内容を詳しく知らない。
- 判断基準:口座の運用や管理の実態が名義人ではなく他者によるものと判断される場合。
3.名義人が預金の使途を決めていない場合
預金を誰がどのように使用するかを実際に決定しているのが名義人ではない場合。
- 例:父親が資金の使途をすべて決定し、母親や子供がそのお金を自由に使えない場合。
- 判断基準:預金の使用権限が名義人にあるとは言えない場合。
4.贈与の形式が整っていない場合
名義人に対して実質的な贈与が行われておらず、贈与契約書の作成や贈与税の申告も行われていない場合。
- 例:父親が母親や子供の口座に資金を移しただけで、贈与の意思や実態が確認されない。
- 判断基準:単に資金を移しただけでは、贈与とみなされず名義預金とされる可能性が高い。
5.名義人に収入源がない場合
名義人自身に収入や資産がなく、その預金の出所を説明できない場合。
- 例:無職の子供名義の口座に多額の預金があるが、その資金の出所が不明な場合。
- 判断基準:名義人がその預金を正当化できる収入や資産を持っていない場合。
6.定期的な入金が名義人以外から行われている場合
名義人ではない人が、継続的または一括で預金口座に資金を振り込んでいる場合。
- 例:父親の収入から母親名義の口座に毎月一定額が振り込まれている。
- 判断基準:名義人がその資金の管理・利用を行っていないと認定される場合。
7.税務署が実態を調査して判断する場合
税務調査において、名義人が口座の管理・使用実態や預金の出所を説明できない場合。
- 例:相続発生後、税務署が預金の状況を調査し、父親の財産とみなす根拠を見つけた場合。
- 判断基準:税務署が実態に基づいて、名義人以外の人物の財産と判断する場合。
名義預金を防ぐための注意点
- 預金の管理や入出金は名義人自身が行う。
- 資金の出所を明確にし、贈与の場合は契約書を作成し適切に申告する。
- 生活費や扶養費といった日常的な支援金であれば、その範囲内であることを明確にする。