仏壇や神棚の供養
宅内に仏壇や神棚が残り、実家じまいを行えない方もいます。適切な方法で供養し、処分する様にしましょう。
(1)宗派を確認
仏壇の供養方法は宗派によって多少異なる場合があります。自身の家の宗派を確認し、それに従った供養を行うことが大切です。
(2)僧侶に依頼する
お寺での供養、もしくは自宅での供養の場合は、僧侶に自宅に来てもらい、仏壇の前で供養してもらうことも可能です。
(3)魂抜き(閉眼供養)
供養の際には「魂抜き」という儀式を行い、仏壇や仏具に宿る仏様や先祖の霊を抜き取る手続きをします。これを行わないまま仏壇を処分するのは避けましょう。
相続登記(被相続人からの名義変更)
実家の相続登記を行わないと、不動産の所有者が故人のままとなり、売却や担保提供ができなくなります。複数の相続人がいる場合、登記を行わないと共有者間でトラブルが発生する可能性があります。2024年の法改正により、相続登記が義務化されました。これにより、相続登記を怠った場合に過料(罰金)が科されることがあります。
相続登記の基本的な流れを解説します。
1.相続人を確定する
2.遺産分割協議を行う
遺産分割協議は遺言書の有無で異なります。
○遺言書がある場合
公正証書遺言や自筆証書遺言がある場合、それに基づいて相続登記を進めます。
○遺言書がない場合
相続人全員で話し合い、遺産分割協議書を作成します。この書類は相続登記の際に必要です。
3.登記に必要な書類を揃える
・被相続人の戸籍謄本(出生から死亡まで)
・相続人全員の戸籍謄本
・遺産分割協議書(または遺言書)
・登記簿謄本(法務局で取得)
・固定資産評価証明書(市区町村役場で取得)
・相続人全員の印鑑証明書
4.登記申請を行う
登記申請書の作成は、ご自身でも可能ですが、司法書士への依頼が正確です。申請は不動産が所在する地域を管轄する法務局に行います。
5.登記費用の支払い
登記は依頼した司法書士報酬の他に、登録免許税が必要です。
実家の土地や不動産を活用する
実家の売却(手放す)
実家の売却を進める時に大切なのは、具体的な計画です。不動産を売却したらそのお金が全て手元に残るわけではありません。例えば、更地で売却する場合には、不動産の仲介手数料の他に、片付け、解体、測量、登記に費用がかかります。
売却の際には不動産を高く売る事を考えがちですが、高く売ればお金が多く残るかというとそうではない事もよくあります。
実家の有効活用(保有する)
実家の活用方法には様々あります。建物を活かす活用法としては一般賃貸、介護や福祉施設、飲食店、オフィス、宿泊施設などへの転用も考えられます。また建物を解体して月極や時間貸し駐車場、借地、太陽光パネル用地などもあります。
地域の需要にマッチした活用をするのは前提ですが、共通して言えることとしては収支計画を組んで活用方法を決めることが大切です。例えば、想定家賃が6万円の物件を貸すために300万円のリフォームをかけた場合には、投資回収には4年以上かかることになります。しかも、満室経営が続く前提の話で、途中退去が発生すると回収期間はさらに長くなります。
また、賃貸物件を運用する際には、固定資産税や不動産業者への管理費、修繕積立金などがかかるので収支は更に悪化します。ほとんどの場合、先行投資の負担があるので、よく考え進まなければ、事業の失敗を招くこととなります。
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