(※写真はイメージです/PIXTA)

親が高齢になると、「実家をどうするか」という問題に直面する人は多いです。実家じまいは、単なる不動産の売却や賃貸にとどまりません。宅内の片付けや仏壇・お墓の手配、さらには親族間の調整など、対応すべき課題は想像以上に多岐にわたります。さらに、対応を後回しにすることで、家の資産価値が大きく下がるリスクも避けられません。本記事では、スムーズに実家じまいを進めるために、事前に確認すべき5つの重要ポイントや、「手放す」場合と「保有する」場合のそれぞれのメリット、有効な実家の活用方法等について解説します。

田舎の実家じまいについて

人口の減少や過疎化で、田舎はそもそも不動産の利用者が少ない傾向にあります。手放したくても引取り手がいなく、手放せない物件は多いです。

 

近年、一つの手放す手段として有償処分があります。お金を払って不動産を引き取ってもらう方法です。家族や子供達に将来迷惑をかけたくないと、お金を払ってでも処分する方法を選択する方が増えています。

 

また、国庫へ帰属するさせる制度も制定されました。

実家じまいにかかる費用

建物の大きさや、立地条件などにもよりますが、一般的な、築45年、建坪25坪程度の木造2階建の住宅で算出した場合、下記のような費用相場となります。

 

片付け:目安40~70万円程度。物量や状態にもよる

 

解体:目安200万円前後。接道条件や重機を入れられるか、地域にもよる

 

測量:50~100万円。敷地形状や隣接の条件による

 

登記:20~40万円。不動産の価格、登記の状況による

 

不動産売買にかかる費用(仲介手数料):売買価格×仲介手数料率3%+60,000円×消費税

実家じまいの成功例

実家だけでなく田畑や契約書のない貸地まで抱えたケース

相談者情報

居住地:千葉県船橋市

性別・年齢:50代 男性(Aさん)

相続地:三重県津市

 

不動産情報

構造:木造

築年数:30年

 

相談の経緯

遠方にある実家で一人暮らしをしていた母親が亡くなり、Aさんが相続することになりました。しかし、仕事が忙しく、片付けや売却に手がつけられない状況に。全国対応の実家じまい相談サービスがあると知り、相談を依頼しました。

 

不動産の背景

立地:海に近い地域で、過疎化が進行し空き家が増加中。

状況:宅内と敷地内の納屋には多くの残置物が放置された状態でした。

所有不動産:実家に加え、貸地、駐車場、田畑など約30筆が点在しており、一部の貸地や駐車場には契約書が存在しない状態。

 

出口戦略

Aさんは地元に戻る予定がないため、すべての不動産を売却することを選択しました。

自宅と駐車場:地元企業が購入

田んぼ:隣地所有者との交渉により売却

 

実務の進行

地元の専門家と連携し、以下の手続きが進められました。

 

自宅の片付け

動産買取:本や電化製品 → 動産買取業者

仏壇供養:寺社(住職)

残置物整理:遺品整理業者

廃棄物処分:廃棄物処理業者

 

不動産の売却

売買契約:不動産会社が担当

土地測量:土地家屋調査士が実施

所有権移転登記:司法書士が対応

農地転用手続き:行政書士が処理

 

まとめ

遠方での実家じまいは、複数の専門家との連携が重要です。Aさんのケースでは、地元の専門家と協力することで、片付けや不動産売却がスムーズに進みました。

共同相続した実家をスピーディーに売却したケース

相談者情報

居住地:愛知県名古屋市

性別・年齢:60代 男性(Bさん)

相続地:広島県広島市

 

不動産情報

構造:木造

築年数:45年

 

相談の経緯

Bさんは母方の実家を福岡に住む次男と共同相続しました。しかし、遠方でお互い仕事を抱えており、実家の片付けや売却に手がつけられない状況に。全国対応の実家じまい相談サービスに相談を依頼しました。

 

不動産の背景

管理状態:母親が直前まで住んでいたため、比較的良好。

地域のリスク:広島では近年、豪雨災害が多発しており、そのまま放置していくことに不安を感じていました。

 

出口戦略

母親の一周忌後に不動産を売却することを決定。

解体・売却方法:自宅建物を解体し、建売用地としてハウスメーカーが購入。

ポイント:早期売却を目指して地元の専門家と連携しスムーズに進行。

 

実務の進行

各専門家と連携し、以下の手続きを実施しました。

 

自宅の片付け

動産買取:本や電化製品 → 動産買取業者

仏壇供養:寺社(住職)

残置物整理:遺品整理業者

廃棄物処分:廃棄物処理業者

 

不動産の売却

売買契約:不動産会社が担当

土地測量:土地家屋調査士が実施

所有権移転登記:司法書士が対応

 

まとめ

遠方に住む兄弟が共同で相続したケースでは、スピーディーな売却と効率的な手続きが求められます。Bさんの事例では、地元の専門家との連携を活用し、短期間で実家じまいを成功させました。

 

杉原 杏璃 氏登壇!
「THE GOLD ONLINE フェス 2025 @東京国際フォーラム」
(入場無料)今すぐ申し込む>>

次ページ 相続した実家を「賃貸物件として運用」したケース

人気記事ランキング

  • デイリー
  • 週間
  • 月間

メルマガ会員登録者の
ご案内

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

メルマガ登録
会員向けセミナーの一覧