(※写真はイメージです/PIXTA)

親が高齢になると、「実家をどうするか」という問題に直面する人は多いです。実家じまいは、単なる不動産の売却や賃貸にとどまりません。宅内の片付けや仏壇・お墓の手配、さらには親族間の調整など、対応すべき課題は想像以上に多岐にわたります。さらに、対応を後回しにすることで、家の資産価値が大きく下がるリスクも避けられません。本記事では、スムーズに実家じまいを進めるために、事前に確認すべき5つの重要ポイントや、「手放す」場合と「保有する」場合のそれぞれのメリット、有効な実家の活用方法等について解説します。

相続した実家はどうするか

実家じまいは先ず不動産を「手放す」か「保有する」のかを考えることからスタートしましょう。その方向性で、行う作業、かかるコストは変わります。

「手放す」ことのメリット

維持管理の負担軽減できる

 

実家を維持するには、固定資産税や修繕費、光熱費などのランニングコストが発生します。手放すことで、これらの費用を削減できます。

 

管理の手間を省ける

 

空き家の管理は思った以上に大変で、定期的な清掃や庭の手入れ、雨漏りや害虫の対策が必要です。これらの負担をなくすことができます。

 

空き家にしておくリスクを回避できる

 

老朽化による危険性の回避ができます。空き家のまま放置すると建物が劣化し、倒壊や害虫被害のリスクが高まります。手放すことで、こうしたリスクを防ぐことができます。

 

防犯面のトラブル回避

 

実家を空き家にすると、空き巣や不法投棄に遭うリスクが高くなります。特に管理がされていない空き家については、注意が必要です。

 

法律や近隣トラブルの防止

 

空き家は近隣住民とのトラブルにも発展することがあります。自治体から是正勧告を受ける可能性もあります。適切に処分することで、トラブルを未然に防げます。

 

売却収入の獲得

 

実家を売却することで、まとまった資金を得られることもあります。これを別の用途に活用することで、家計や将来設計が豊かになります。

 

相続税や負債の補填

 

売却した資金を相続税やその他の支払いに充てることも可能です。

 

家族への負担を軽減

 

実家じまいの先送りは後に家族へ負担をかける事になります。所有者が元気なうちは良いのですが、万が一相続が発生すると、所有権は配偶者や次の世代に引き継がれることになります。早めに対応することで、家族への負担をかけないで済みます。

「保有する」メリット

資産としての価値保持

 

実家の土地や建物が将来的に値上がりする可能性がある場合、保有し続けることで資産価値を保持できます。特に都市部や開発計画のある地域では、将来的な投資価値が高まることもあります。

 

相続税対策

 

売却すると現金化され、相続税の対象になりやすくなりますが、不動産を保有している場合は、評価額が現金より低くなるため、相続税対策になることがあります。

 

将来的な利用の可能性

 

家族や親戚が将来利用する可能性がある場合、保有しておけば柔軟に対応できます。子供世代が住む、セカンドハウスとして利用するなどの選択肢を残せます。

 

賃貸や活用の計画

 

将来的にリフォームして賃貸物件にする、または商業利用するなどの活用方法も検討できます。

 

税制上のメリット

 

居住用住宅の場合、固定資産税が軽減される場合があります。適切に管理しておけば、この優遇措置を継続的に受けることが可能です。

 

また、不動産を長期間所有していると、売却時の譲渡所得税が軽減される特例があります。長く持つことで将来の税負担が軽くなる場合もあります。

 

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