週1回、学校から帰ってきた孫の面倒を見るのがルーティン

近藤夕子さん(仮名・70歳)は、茨城県にある一軒家で夫の清さん(仮名・72歳)と二人暮らしをしています。夕子さんも清さんも年金暮らしをしており、年金は夫婦で月25万円。住宅ローンも完済しているため、基本的には支給された年金の範囲内で生活できています。

しかし、夕子さんにはある悩みのタネが……。それが、夕子さんの長女・咲さん(仮名・35歳)です。夕子さん宅から徒歩2分の場所にマイホームを購入した咲さんは、旦那さんと小学3年生の真奈ちゃんと3人で暮らしています。

咲さん夫婦は共働きで、平日は帰宅時間が20時を過ぎることがほとんど。そのため、平日は基本的に真奈ちゃんを学童に預けています。週1回・月曜日だけは真奈ちゃんの習い事があるため、夕子さんの家で真奈ちゃんの面倒を見ているのです。

「ばぁば、ただいま~」

「おかえりなさい。今日は17時にピアノ教室だから、それまでに宿題を終わらせてね」

学校から帰ってきた真奈ちゃんは、さっそく宿題を広げます。夕子さんが氷の入った麦茶をテーブルに置くと、おいしそうにゴクゴクと麦茶を飲み干しました。お皿に乗ったチョコチップクッキーにも手を伸ばしながら、漢字ドリルと算数のプリントを進めていきます。

その後、ピアノ教室への送迎を済ませて18時半ごろに帰宅。咲さん夫婦はまだ帰ってきていないため、夕子さん宅で晩御飯を食べさせ、20時過ぎに真奈ちゃんを咲さんの家へ送り届けます。

おやつの用意・習い事の送迎・晩御飯の準備―。並べてみると大仕事のように見えますが、週に一度のことなので夕子さん自身はそこまで負担に感じていませんでした。

週1のお世話が、夏休みになると「お盆以外毎日」に

7月下旬、夕子さんが恐れていたイベントがやってきました。それは「夏休み」です。夏休みになると、平日は週5で真奈ちゃんの面倒を見ることになっているのです。

学童は夏休み期間でも利用できるのですが、給食がないため、毎日お弁当を持参しなければなりません。
咲さん夫婦は毎日お弁当を作る余裕がないため、「夏休みだけは真奈をお母さんのところで預かってくれない?」と夕子さんに頼んできたのです。

「毎日はちょっと……」と躊躇した夕子さんでしたが、毎日疲れ切った表情で帰宅する咲さんを見ていると、断ることはできませんでした。

「1か月ちょっとの間だし、仕方ないわよね」

そう考えていた夕子さんでしたが、いざ夏休みが始まると、想像以上に大変な毎日が待っていたのです。


朝8時30分に真奈ちゃんを預かり、朝ごはんを食べていないときはサラダや目玉焼き、パンケーキなどを用意します。お昼も家にあるもので簡単な料理を作るのですが、「どこかに食べに行きたい」と言われることもしばしば。結局、週3回はフードコートやファミリーレストランで昼食をとるようになりました。フードコートに寄ったあとは同じ建物内にあるゲームセンターや雑貨屋に寄ることになるため、そこでも毎回出費が発生します。

気づけば、2人分の食事代とレジャー費で一日に3,000円~5,000円が消えていました。この状況が週5日×1か月続いた場合、少なくとも6万円以上のマイナスになります。


「このままだと、貯金もどんどん減ってしまう……」

総務省統計局「家計調査報告書[家計収支編]2025年(令和7年)平均結果の概要」によると、65歳以上の夫婦のみの無職世帯の可処分所得(手取り額)は、月22万1,544円。夕子さん夫婦の可処分所得も約22万円です。真奈ちゃんの夏休み期間は出費がかさむため、月3~4万円は貯金を取り崩して生活しなければなりません。

総務省統計局「家計調査報告書[家計収支編]2025年(令和7年)平均結果の概要」
総務省統計局「家計調査報告書[家計収支編]2025年(令和7年)平均結果の概要」