(※写真はイメージです/PIXTA)

2022年に離婚した夫婦のうち、同居期間が20年以上だった「熟年離婚」の割合が過去最高に達したことが少し前に話題になりましたが、熟年再婚を考える人も。本記事では、CFPなどの資格を持つトータルマネーコンサルタントの新井智美さんが、熟年再婚における事実婚について解説します。

「もう出会いはないだろうな」募る寂しさ

真弓さん(66歳)は40歳のときに離婚を経験しています。理由は性格の不一致。子どもができなかったこともあり、ずっとこのままこの人と一緒にいるなら離婚したほうがいいと決断し、離婚話を切り出したのです。性格の不一致は夫も分かっていたようで、すんなりと受け容れてくれました。離婚当時は共働きだったこともあり、夫婦の財産は半分に分け、離婚届を役所に提出したそうです。

 

結婚の際に姓を変えたのは真弓さんでしたが、離婚の際に旧姓に戻して会社や周囲の人に離婚したことを知られたくなかったという真弓さんは、離婚後も同じ名字で要られるよう離婚届と同時に「婚氏続称届」を提出し、新たに戸籍を作ったのです。

 

しかしその後、真弓さんの両親からやっぱり名字だけは元に戻してくれといわれ、家庭裁判所での手続きを経て、名字は戻すことになりました。

 

その後は1人で生きていくと決めた真弓さん。中古のマンションを購入し、60歳のときにローンも払い終え、65歳まで会社に勤めた後退職しました。

 

リタイア後は自分のペースで過す日々。ときには友達と旅行に行ったり、おいしいものを食べたりと毎日を過しています。

 

ただ、1人で家にいるときのどうしようもない寂しさは離婚後から変わりません。しかし、婚活に抵抗を感じていた真弓さんは自然な出会いがあればいいなと思い、そのままずっと1人の生活が続いていたのです。

 

もちろん出会いがなかったわけではありません。しかし声をかけてくれるのは既婚者だけ。都合のいい存在になりたくない真弓さんはキッパリと断わっていたそうです。

 

そんな時、友達が男性を紹介してくれることに。年齢は真弓さんより2歳上で、同じ離婚経験者でした。

 

紹介された実さん(当時67歳)は妻を病期でなくしており、その後は母親の介護という生活を送っていたそうですが、その母親も昨年亡くなったとのこと。子どもはおらず、一人っ子だったため、親戚づきあいもありません。

 

最初は友達として接していた真弓さんですが、次第に実さんの頼りがいのある性格や趣味が同じであることから親しみを持ち始めました。実さんも同じだったようで、1年経ったころに実さんから結婚しないかと言われたのです。

 

実さんがそばにいてくれればどんなに安心だろうと思っていた真弓さんは即座にOKしました。

 

実は真弓さんは極限まで無理をする性格で、朝目覚めたときに体に力が入らなくなったことがこれまで2度ありました。

 

1回目は昨年の冬の朝、目を覚ましたときに急に体に力が入らなくなりました。携帯は寝室と離れたリビングに置きっぱなしにしていたため、電話で助けを呼ぶこともできず、苦しんでいるなか、たまたまLINEが既読にならないことを心配した姉が両親に知らせてくれたため、両親が様子を見にきて病院に連れて行ってくれたのです。高熱もあり、肺炎の1歩手前の状態でした。

 

たまたま姉が不審に思ってくれたから助かったようなものの、最悪孤独死の状態になっていたかもしれません。

 

そのため、真弓さんは何かあったときに気づいてくれる人がそばにいて欲しいと切に思っていたのです。

 

ただ、結婚そして離婚によって2回も名字の変更を経験した真弓さん。必ずしも女性側が姓を変える必要はないとはいえ、あんな面倒な手続きはもうごめんだと思っていたため、「私は姓を変えたくないし、あなたに私の姓になってほしいとも思わない。それでもいい?」と実さんに尋ねたところ、「真弓さんがそう思うなら」と事実婚を選びました。

 

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