(※写真はイメージです/PIXTA)

2022年に離婚した夫婦のうち、同居期間が20年以上だった「熟年離婚」の割合が過去最高に達したことが少し前に話題になりましたが、熟年再婚を考える人も。本記事では、CFPなどの資格を持つトータルマネーコンサルタントの新井智美さんが、熟年再婚における事実婚について解説します。

法律婚と事実婚の違い

法律婚とは、役所に婚姻届を提出し、婚姻関係にあることを認めてもらう方法です。通常、婚姻届を出すにあたっては、名字を一緒にしなければなりません。多くの場合、女性が相手側の名字に変えています。

 

そのため、女性側は結婚すると通帳の口座やクレジットカード、保険の受取人などの変更手続きを余儀なくされます。実印を作っているなら、それも変えなければなりません。名字の変更手続きは思ったよりも大変です。

 

現在の日本では夫婦別姓でいたいなら、事実婚を選ぶしか方法はありません。そのため、戸籍は別々になります。事実婚が認められる要件としては、「お互いに結婚する意思があること」「同居していること」そして「生計を一にしていること」が挙げられます。

 

住民票の届け出の際には、住民票を同じにし、それぞれの関係を(未届)と記載することで2人が事実婚の関係だと認められます。

 

事実婚にはデメリットもある

晴れて事実婚の関係になった真弓さんと実さん。実さんの住んでいる家の方が交通アクセスもよく広かったため、真弓さんはマンションを賃貸に出し、実さんの家で生活することに。

 

ただ、事実婚の状態だと、実さんが亡くなっても実さんの財産を相続することはできません。事実婚だと相続における配偶者とは認められないからです。

 

仮に実さんが遺言で自分の財産は全て真弓さんに譲るとしていても、それは遺贈となり、法律婚なら受けられる控除などの対象外です。そのため、財産の額によっては真弓さんは多額の税金を払わなければならなくなります。

 

また、どちらかが病気になり、入院もしくは手術が必要になったときに家族としてみなされない可能性もあります。

 

お墓をどうするかを決めておくことも大切

事実婚の場合、お墓の問題もあります。それぞれの家のお墓がある場合は特に悩むのではないでしょうか。

 

もちろん、自分たちで供養方法を決め、共同墓地に入るケースや同じ場所で樹木葬にしてもらうなど考えてもいいでしょう。その場合は、今ある家のお墓をどうするかも考えなければなりません。子どもがいないなら墓じまいを考えてもいいかもしれません。

 

事実婚でいることで、さまざまな社会的なサービスを受けられない可能性もあります。そのときにはパートナーシップ制度の利用を考えてもいいでしょう。一部の自治体では異性間のパートナーでもパートナーシップ制度が利用可能です。

 

事実婚にはメリットもあればデメリットもあります。どちらがいいか迷った際には専門家に相談してみることも大切です。

 

新井智美

トータルマネーコンサルタント

CFP

 

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