おかしい…相続税はかからないはずでは?母親が亡くなってから8か月後に税務署から案内が届いた〈一枚の案内〉に戦慄したワケ【相続の専門家が解説】

おかしい…相続税はかからないはずでは?母親が亡くなってから8か月後に税務署から案内が届いた〈一枚の案内〉に戦慄したワケ【相続の専門家が解説】
(※写真はイメージです/PIXTA)

母親が亡くなっておよそ8カ月後に税務署から「相続税申告のご案内」という封書が届いた久美子さん(50代女性)。以前父が亡くなったときと同様に税務署には何もしなくていいと思っていた久美子さんは驚いて、弟と二人で相談に来ました。早速財産評価をしてみると、基礎控除額ぎりぎり。税務署への申告の仕方に悩む久美子さん……。本記事では、税務署から送られてくる「相続税申告のご案内」の対応方法について、相続実務士である曽根惠子氏(株式会社夢相続代表取締役)が解説します。

基礎控除ぎりぎりの財産の場合、どうする?

母親の財産は預金が400万円、生命保険は非課税枠内の500万円です。基礎控除は4200万円ですので、不動産評価が3,800万円を超える場合は相続税の申告が必要となります。

 

路線価評価をするとほぼ3,800万円で、基礎控除の範囲ぎりぎりのところ。葬儀費用などを引くと基礎控除の範囲内となります。
 

遺産分割については、自宅は住んでいる久美子さんが相続、預金と保険は二人で等分にするということで合意ができていると言います。

基礎控除以内でも税務署に申告ができる

税理士に依頼をして不動産評価をしてもらい、金融資産などの残高を足して財産目録を作成してもらったところ、不動産評価は不整形などを考慮して3,500万円となり、預金や金融資産をプラス、葬儀費用などを差し引くと、3,850万円の財産となりました。

 

基礎控除内だということが確認でき、相続税の申告も不要ではありますが、久美子さんは税務署からの案内がきたことが不安だということで、税務署に相続税の申告書を作成して、提出しておきたいとなり、税理士に引き受けてもらうことにしました。そうすることで、案内にあった質問の回答になり、相続税の納税は不要だという証明になります。
 

遺言書はありませんでしたが、久美子さんと弟で分割案も話し合っていたので、遺産分割協議書の作成もスムーズにでき、税理士に早々に評価、書類作成をしてもらえたので、税務署への申告も期限内に済ませることができました。

 

※登場人物は仮名です。プライバシーに配慮し、実際の相談内容と変えている部分があります。

 

 

曽根 惠子
株式会社夢相続代表取締役
公認不動産コンサルティングマスター
相続対策専門士

 

◆相続対策専門士とは?◆

公益財団法人 不動産流通推進センター(旧 不動産流通近代化センター、retpc.jp) 認定資格。国土交通大臣の登録を受け、不動産コンサルティングを円滑に行うために必要な知識及び技能に関する試験に合格し、宅建取引士・不動産鑑定士・一級建築士の資格を有する者が「公認 不動産コンサルティングマスター」と認定され、そのなかから相続に関する専門コースを修了したものが「相続対策専門士」として認定されます。相続対策専門士は、顧客のニーズを把握し、ワンストップで解決に導くための提案を行います。なお、資格は1年ごとの更新制で、業務を通じて更新要件を満たす必要があります。

 

「相続対策専門士」は問題解決の窓口となり、弁護士、税理士の業務につなげていく役割であり、業法に抵触する職務を担当することはありません。

 

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