専業主婦の母親が全財産を相続
寺田るいさん(仮名・30代)が相談に来られました。3年前に70代の父親が亡くなり、専業主婦の母親(60代)が自宅や賃貸マンション、駐車場などの全財産を相続しました。
しかし母親は、賃貸事業の管理が負担になっているといいます。自宅向かいにある築30年・14世帯の賃貸マンションは修繕費もかさみ、退去のたびにリフォーム費用も必要です。「もうやりきれないので売りたい」と話しているものの、それが本当に最善なのか判断がつかない――それが今回のご相談でした。
そこで母親の「相続プラン」をご依頼いただき、資産活用の選択肢と相続税対策を整理。特に、駐車場用地の活用について重点的に提案しました。
父親が遺した「宿題」と、母の拒絶
長年、賃貸事業を切り盛りしてきた父親が亡くなった際、自宅と向かいの14世帯のマンションは当然のように母親が相続しました。
しかし、マンション経営の実務はほとんど父親に任せきりだったため、いざ自分で管理を担うと、その負担の大きさに戸惑います。母親はるいさんに、「思っていた以上に大変」とこぼすようになりました。
わずらわしさから、向かいのマンションは売却して身軽になりたいと考えているそうです。一方、自宅の隣地は駐車場として活用しているものの、稼働率は8割ほど。固定資産税を支払うと、ほとんど手元には残らない状況でした。
家賃収入のあるマンションまで手放すという母親の考えに不安を覚えたるいさんは、たまたま育児休暇中で時間に余裕があったこともあり、初めて母親の経済状況を詳しく確認しました。すると、家賃収入はあるものの支出も多く、将来を見据えた計画性がないことに愕然とします。
このまま感情に任せて売却してしまってよいのか。るいさんは子育てをしながら、母親の資産の現状をあらためて分析することにしました。
・更地の駐車場は「相続税」の天敵。 何の控除も受けられず、高い税金がのしかかる。
・既存のマンションの稼働状況は悪くない。 適切に運営すれば、安定した収益基盤になる。
「お母さんがやらないなら、私が窓口になって守っていく」
るいさんは、お母様から賃貸事業を任せてもらう決意を固めたのです。
「4社比較」の幕開け
私たちは単なる建築紹介ではなく、まずは家族全体の「相続プラン」を策定。その中で、駐車場の土地活用が、単なる収益事業ではなく、「相続税をゼロに近づけるためと収支バランスが取れて生活費が捻出できる事業の必須ミッション」であることを明確にしました。次に必要だったのが、具体的かつ現実的なプランの選定です。
るいさんの要望は明確でした。
「過度なリスクは取らず、確実に採算が取れるプランにしてほしい」
私たちは、工法も価格帯も異なる4社の建築会社をセッティングし、徹底比較の場を設けました。
比較表は下記のとおりです。

