遺産放棄と相続放棄のメリット・デメリット
遺産放棄にも、相続放棄にも、メリット・デメリットがあります。それぞれを理解して、自分にとって一番いい選択をしてください。
相続放棄の場合、以下のようなメリット・リスクがあります。
借金を避けるための有効な手段
被相続人が借金を残していた場合、相続放棄をすれば、借金の返済を債権者から請求されることはありません。ただし、相続放棄をしなかった他の相続人には、その借金の返済が求められることになります。
相続放棄は、借金を避けるための有効な手段です。
相続権の放棄によるリスク
相続放棄を行うには、必要な書類を準備し、家庭裁判所に申し立てをする必要があります。
もし書類に不備があったり、期限を過ぎて手続きを行ったりすると、申し立てが却下されることがあります。そのため、最低限の知識を持って進めることが重要です。また、特別な事情がない限り、相続放棄を一度行うと撤回や取り消しはできません。
相続放棄をすると、被相続人の財産を一切受け取れなくなります。遺産放棄とは異なり、今後、相続人としての権利を主張することもできなくなるという点に注意が必要です。
遺産放棄のメリットとリスク
遺産放棄のメリットとリスクは、以下の通りです。
一部財産の受け取りを希望する場合の選択肢
遺産放棄とは、特定の遺産を受け取らないという意味であり、他の遺産については相続する権利が残ります。
また、遺産放棄をした後でも、新たな遺産が見つかった場合には、相続人としてその権利を主張することが可能です。
債務の引き継ぎに関する注意点
被相続人に借金などの負債がある場合、債権者は相続人に対して返済を求めてきます。被相続人の債務は相続人に引き継がれるためです。
遺産放棄をしても、相続人としての立場は変わらないため、債権者は遺産放棄をした人にも返済を請求することができます。たとえ「遺産は放棄した」と伝えても、請求が止まることはありません。
借金の請求を確実に止めるためには、相続放棄を行う必要があります。
〈ケース別〉の選択基準
相続放棄を選ぶべき状況、遺産放棄を選ぶべき状況の例をいくつかあげてみました。参考にしてみてください。
相続放棄を選ぶべき状況
以下のような状況である場合は、相続放棄を選択することをおすすめします。
負債が財産を上回る場合
負債が財産を上回る場合には、相続放棄をおすすめします。相続放棄をすると、被相続人の財産も借金も一切引き継がないことになります。
もし被相続人に多額の借金があった場合、相続放棄をすればその返済義務から免れることができます。
「財産や負債の正確な額がわからない」という場合には、相続放棄も一つの選択肢ですが、限定承認という手続きもおすすめです。限定承認とは、プラスの財産がある範囲内でのみ負債を引き継ぐ方法です。
相続トラブルを避けたい場合
相続トラブルを避けたい場合には、相続放棄をおすすめします。
相続人同士の関係が悪い場合、遺産の分け方でトラブルになることがあります。誰も欲しくない遺産があると、相続人同士で押し付け合いが起こることも少なくありません。
しかし、相続放棄をすれば、こうした面倒なやり取りに参加する必要はなくなります。「相続争いに巻き込まれたくない」という方には、相続放棄が有効な選択肢です。
他の相続人に権利を譲りたい場合
他の相続人に権利を譲りたい場合には、相続放棄をおすすめします。
特定の相続人に遺産を集中させたい場合、他の相続人が相続放棄をすることで、正式に相続権が移り、権利に関するトラブルを防ぐことができます。
遺産放棄でも、自分の相続分を他の相続人に譲ることは可能ですが、相続放棄のように正式に相続権が移るわけではありません。そのため、後で考えが変わり、自分の取り分を主張しようとすると、トラブルの原因になることがあります。
杉原 杏璃 氏登壇!
「THE GOLD ONLINE フェス 2025 @東京国際フォーラム」
(入場無料)今すぐ申し込む>>
注目のセミナー情報
【海外活用】12月7日(土)開催
従来の分散投資で資産を守れるのか?
新時代の富裕層が実践する
金融大国「シンガポール」や「フィリピン永住権」を活用した新・資産防衛法
【国内不動産】12月7日(土)開催
元サラリーマン大家の現役投資家社長が伝授…
インバウンド需要を逃すな!
《札幌・民泊投資》で勝ち組になる方法