(※写真はイメージです/PIXTA)

不動産を共有している場合、所有者間の権利と義務は非常に複雑です。「共有持分」とは、複数の人が同じ不動産を所有する際の各自の権利割合を指し、その割合は必ずしも均等ではありません。例えば、一方の共有者が多くの持分を持っていても、その意見が全ての決定において優先されるわけではありません。そのため、誰が何を決定できるのか、また何が全員の同意を要するのかを理解することが重要です。この記事では、共有不動産における行為の分類やトラブルを未然に防ぐための対策について詳しく解説します。

不動産を共有している場合……単独で決定できること・できないこと

不動産の共有持分とは、1つの不動産を2人以上の所有者で共有する場合における各共有者の所有権の割合のことです。この割合は、共有者間で常に均等であるとは限らず、例えば共有者Aが2/3を所有し、共有者Bが1/3を所有するというケースもあります。

 

また、不動産を共有しているからといって、何でも共有者全員と話し合い、その都度合意を得て、様々な行為について取り決めなければいけないわけではありません。

 

(1)単独で可能な行為

 

次のような場合は共有者単独で行えます。この行為は持分割合に関係なく、共有者が自由に行えます。

 

・保存行為:現状維持のための修繕(例:壁紙を交換、雨どいの補修等)

 

・使用行為:共有不動産全体の使用(例:自ら居住する等)

 

(2)過半数で可能な行為

 

次のような場合、共有持分の過半数の同意が必要です。

 

・利用行為:物件を共有者以外に利用させる行為(例:短期的に賃貸物件として活用する等)


・改良行為:物件の価値を上げる行為(例:リフォーム等)

 

(3)全員の同意が必要な行為

 

次のような場合は共有者全員の同意を要します。

 

・処分行為:共有不動産の権利関係に大きな影響を与える行為(例:売却、大規模修繕、抵当権の設定、長期間の賃貸契約締結等)

 

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