(※写真はイメージです/PIXTA)

老後の住まい選びは「安全」「医療アクセス」「バリアフリー」だけでは決まりません。子どもとの距離感や、暮らしの主導権を誰が握るかも大きな要素です。国土交通省『令和5年度 高齢社会に関する意識調査(高齢期の住み替えについて)』でも、住み替えは利便性や生活負担の軽減、将来の安心確保を目的として検討される傾向が示されています。本記事では、年金生活に入った夫婦が、あえて都心の湾岸タワマンへ住み替えた背景を追います。

「最後は、好きな場所で暮らしたい」――夫婦の決断

「子どもの近くに住むのが“正解”だと思っていた時期もありました。でも、最後は自分たちの好きな場所で暮らしたいと思って」

 

そう話すのは、首都圏在住の中村さん夫妻(仮名・ともに68歳)。夫は大手企業を定年退職し、妻もパート勤務を経て年金生活に入りました。2人の年金は合計で月約32万円。住宅ローンはすでに完済し、貯蓄も一定額あります。

 

「年金がこの水準なら“余裕がある”と言われるかもしれません。でも、老後って“安心の条件”が多すぎて、何を優先するか迷いますよね」

 

夫婦が暮らしていたのは、郊外の戸建てでした。駅までバス、病院も車が必要。庭の手入れや修繕、冬の寒さもこたえるようになっていました。

 

「家そのものは気に入っていたんです。でも、階段がきつくなって。夫婦のどちらかが倒れたら、もう回らないなって思いました」

 

総務省『家計調査(2024年)』では、高齢夫婦のみの無職世帯は、可処分所得平均22.2万円に対して平均消費支出が25.6万円と上回り、平均で毎月赤字になっている実態が示されています。支出が膨らみやすい老後は、固定費の設計が暮らしを左右します。

 

「戸建ては、住めば住むほど“維持費が読めない”のが怖かったです」

 

住み替え先は、湾岸エリアのタワーマンション。駅近、スーパーやクリニックも徒歩圏内。24時間ゴミ出し、見守りに近いコンシェルジュサービスもありました。

 

「便利さはもちろんだけど、“暮らしを自分で回せる”感じが一番大きいです。車を手放しても不安がない」

 

一方で、タワマンには管理費や修繕積立金がかかります。そこをどう納得したのか。

 

「ここは“安心の固定費”だと思いました。戸建ての突発的な修繕より、月々の支出が見えるほうが落ち着きます」

 

 \3月20日(金)-22日(日)限定配信/
 調査官は重加算税をかけたがる 
相続税の「税務調査」の実態と対処法

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※本記事のインタビューではプライバシーを考慮し、一部内容を変更しています。

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