今週の注目点…米経済ソフトランディング期待は本物か!?
米ドル/円は、日米金利差と基本的に連動する展開となっています。その上で、先週は金融政策を反映する短期金利差より長期金利差との連動が強まりました。この状況が今後も続くなら、米ドル/円の行方は日米10年債利回り差次第ということになります。
今回のFOMCの大幅利下げを受け、米経済のソフトランディング期待が広がりましたが、それを経済指標の結果などで確認していくことになりそうです。今週は4~6月期の米実質GDP伸び率・確報値やPCEコア・デフレーターなどの発表が予定されています。
また足下、7~9月期の米実質GDP伸び率について、定評のあるアトランタ連銀の経済予測モデル、GDPナウの最新の予想は前期比年率2.9%となっており、米景気の回復が続いているといった見方になっています。
一方で、今回FOMCが大幅利下げに踏み切ったのは、雇用の急速な悪化に対して「ビハインド・ザ・カーブ」、つまり後手に回ることを避ける狙いが強かったとされますので、雇用関連の指標で実際に悪化が示されることになるかにも注意は必要でしょう。
米ドル/円とやや趣を異にするように、ユーロ/米ドルはFOMC後も、年初来のユーロ高値・米ドル安値近辺での展開が続きました。そしてこの動きは、独米金利差の「米ドル優位・ユーロ劣位」縮小でも基本的に正当化されるものでした(図表6参照)。
以上の動きは、これまで米ドル安を主導した対円の動きが一段落する一方で、むしろ円以外の通貨に対して米ドル全面安が広がり始めた兆しとしても、注目されるところでしょう。
9月に入ってから一本調子で展開した米ドル安・円高は、先週のFOMCで一段落した可能性が高く、目先的には米ドル高・円安への戻りを試す展開が続きそうです。その場合は、9月これまでの米ドル高値147円を超えられるかが大きな分岐点になるでしょう。一方で、円以外の通貨に対しては逆に米ドル安が広がる兆しもあります。
以上を踏まえ、今週の米ドル/円の予想レンジは141.5~146.5円で想定します。
吉田 恒
マネックス証券
チーフ・FXコンサルタント兼マネックス・ユニバーシティFX学長
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