FOMC〈大幅利下げ〉で円高が一段落か…今後予測される、米ドル/円の「大きな分岐点」とは【国際金融アナリストが考察】

9月24日~9月30日の「FX投資戦略」ポイント

FOMC〈大幅利下げ〉で円高が一段落か…今後予測される、米ドル/円の「大きな分岐点」とは【国際金融アナリストが考察】
(※画像はイメージです/PIXTA)

9月に入ってから続いていた円高傾向は、FOMCによる大幅利下げの影響で一段落し、今後は米ドル高・円安へ戻る見込みだといいます。しかし、米ドルは円以外の通貨に対して全面安の動きが広がり始めているようです。その根拠と今後の相場の展開予測について、マネックス証券・チーフFXコンサルタントの吉田恒氏が解説します。

円安をもたらした背景…円「買われ過ぎ」の反動とは

そもそもその米ドル/円自体この間大きく下落し、短期的な「下がり過ぎ」懸念が強くなっていました。米ドル/円の90日MA(移動平均線)かい離率は、マイナス10%に近づくと短期的な「下がり過ぎ」が懸念されるのですが、FOMC前はこれがマイナス8%以上に拡大していました(図表4参照)。

 

出所:リフィニティブ社データよりマネックス証券が作成
[図表4]米ドル/円の90日MAかい離率(2000年~) 出所:リフィニティブ社データよりマネックス証券が作成

 

もう1つ、週末にかけて米ドル高・円安への戻りが目立つ結果になった要因として、円「買われ過ぎ」の反動が入った可能性が考えられます。

 

CFTC(米商品先物取引委員会)統計による投機筋の円ポジションは、17日現在で買い越し(米ドル売り越し)が5.6万枚まで拡大していました。過去の実績を見ると、円の買い越しの5万枚以上は「行き過ぎ」圏でした。

 

それにしても、これまで円買い越しが5万枚以上に拡大したことは何度かあったのですが、そのほとんどは日米政策金利差の「米ドル優位・円劣位」が1%未満といった具合に、円買いにとってあまり気にならないケースでした。

 

これに対し、足元の日米政策金利差の「米ドル優位・円劣位」は、今回の0.5%といった大幅な米利下げを受けてなお4%を大きく上回る状況に変わりありません(図表5参照)。
 

出所:リフィニティブ社データよりマネックス証券が作成
[図表5]CFTC統計の投機筋の円ポジションと日米政策金利差(2005年~) 出所:リフィニティブ社データよりマネックス証券が作成

 

このように、金利差からすると不利な円買いポジションだっただけに、その行き過ぎの修正に伴う処分売りも勢いづきやすく、予想以上に大きな円安をもたらした背景だったと考えられます。

 

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