(※写真はイメージです/PIXTA)

マクドナルドの看板メニューであるビッグマックは世界中の店舗で展開されていますが、実は日本のビッグマックは世界的に見ても非常に安いという事実をご存じでしょうか? 本記事では、帝国データバンク情報統括部の『帝国データバンクの経済に強くなる「数字」の読み方』(三笠書房)より一部を抜粋、再編集して、「ビッグマック指数」を通して「安いニッポン」といわれるようになった背景について解説していきます。

ビッグマック指数を通して見る「安いニッポン」の今

新型コロナ禍が明けて、海外からの訪日旅行客が急増しています。そこで異口同音に発せられるのは「日本の物価は安い!」という言葉です。ここでは「安いニッポン」について、ビッグマック指数(BMI)を通して価格の舞台裏を垣間見てみましょう。

 

なぜビッグマックを使うのか、その背後にある理由や日本の価格に迫ります。


まず、ビッグマック指数について説明します。これは、マクドナルドのメニューにあるビッグマックの価格を使って各国の物価水準を比較しようとする指標です。なぜビッグマックかというと、マクドナルドが世界100カ国以上でほぼ同品質で販売するビッグマックの値段は、その国の原材料費や光熱費、店舗の家賃、従業員の賃金など、さまざまな要素を反映するため、各国の標準的な商品として比較しやすいためです。ビッグマック指数はイギリスの経済専門誌『The Economist』が提唱したもので、1年に2回発表されています。


そもそもビッグマック指数は、通貨が正しい水準にあるかどうかを示す気軽なガイドとして1986年に考案されたものです。この指数は、外国為替レート決定理論の考え方のひとつである購買力平価(PPP)理論にもとづいて算出されています。PPPはさまざまな経済データを国際比較する時に頻繁に使われるもので、より長期的なトレンドに沿った為替水準を示しています。

 

それでは、日本のビッグマック指数はいくらなのでしょうか。

 

2024年1月時点での価格は1個450円(3.04ドル)です。この価格をもとに、他の国のビッグマック価格と比較することで、物価水準の違いを知ることができます。とはいえ、そもそもこの価格は高いのでしょうか、それとも安いのでしょうか。答えを先に言えば、非常に安いと言えるでしょう。

 

調査対象となっている55カ国・地域のうち、日本は45位です。前後の順位をみると、44位はルーマニア(506円、3.43ドル)、46位はベトナム(445円、3.01ドル)となっています。日本は基準となるアメリカのビッグマック(841円、5.69ドル)より46%以上、トップのスイス(1,207円、8.17ドル)からは62%も安い価格です。

 

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帝国データバンクの経済に強くなる「数字」の読み方

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