今週の注目点…雇用統計後の株安は続くのか?
この先、米ドル/円が140円を割れて下落に向かうかは、9月FOMCの利下げ幅が0.5%以上になるか、さらにその後の11、12月のFOMCでも、連続的に利下げが実施されるかが大きな目安といえます。
これについては、6日の米8月雇用統計の結果が重要な判断材料と位置づけられていましたが、結果的には、大幅利下げや連続利下げを判断するには不十分との評価が、一般的なようです。
こうしたなか、個人的に注目していたのは、雇用統計発表後の米国株の急落です。
株価は基本的に、景気に対する先行指標の1つとされます。そんな株価が最高値圏で推移している状況で、はたして大幅利下げや連続利下げが必要になるか、個人的には極めて懐疑的でした。
最近まで、“悪いニュースは良いニュース”として、経済指標等が悪い結果であったとしても、利下げ期待を媒介に株高で反応する傾向が続いていましたが、6日の米雇用統計でNFP等が予想より弱い結果(=“悪いニュース”)となったのに対し、株価は急落の反応となりました。
景気の先行指標である株価が比較的大きく下落に向かうようなら、それは景気の先行き減速を示唆している可能性があるので、本格的な米利下げが現実的となってきます。引き続き、注目していきたいと思います。
ここまで見てきたように、米ドル安・円高関連で短期的な「行き過ぎ」シグナルも目立ち始めたことから、このまま一気に140円を割るのは難しいのではないか、と考えています。
6日の雇用統計発表後に、米ドル/円は一時144円程度まで反発する場面もありましたが、「行き過ぎ」の反動が入れば、この程度米ドル高・円安に戻すことはあるでしょう。以上を踏まえ、今週の米ドル/円は140~145円と予想します。
吉田 恒
マネックス証券
チーフ・FXコンサルタント兼マネックス・ユニバーシティFX学長
※本連載に記載された情報に関しては万全を期していますが、内容を保証するものではありません。また、本連載の内容は筆者の個人的な見解を示したものであり、筆者が所属する機関、組織、グループ等の意見を反映したものではありません。本連載の情報を利用した結果による損害、損失についても、筆者ならびに本連載制作関係者は一切の責任を負いません。投資の判断はご自身の責任でお願いいたします。
注目のセミナー情報
【海外不動産】12月18日(木)開催
【モンゴル不動産セミナー】
坪単価70万円は東南アジアの半額!!
世界屈指レアアース産出国の都心で600万円台から購入可能な新築マンション
【事業投資】12月20日(土)開催
東京・門前仲町、誰もが知る「超大手ホテルグループ」1階に出店!
飲食店の「プチオーナー」になる…初心者も参加可能な、飲食店経営ビジネスの新しいカタチとは?
【関連記事】
■税務調査官「出身はどちらですか?」の真意…税務調査で“やり手の調査官”が聞いてくる「3つの質問」【税理士が解説】
■親が「総額3,000万円」を子・孫の口座にこっそり貯金…家族も知らないのに「税務署」には“バレる”ワケ【税理士が解説】
「銀行員の助言どおり、祖母から年100万円ずつ生前贈与を受けました」→税務調査官「これは贈与になりません」…否認されないための4つのポイント【税理士が解説】
