米ドルの「売られ過ぎ」が懸念されるなか…米雇用統計発表後の〈米国株の急落〉が意味すること【国際金融アナリストが解説】

9月10日~9月16日の「FX投資戦略」ポイント

米ドルの「売られ過ぎ」が懸念されるなか…米雇用統計発表後の〈米国株の急落〉が意味すること【国際金融アナリストが解説】
(※画像はイメージです/PIXTA)

最大5円以上の急落と、8月に起こった「令和のブラックマンデー」に肉迫する動きをみせた、9月初週の米ドル/円。マネックス証券・チーフFXコンサルタントの吉田恒氏は、今週の相場展開について、「“下がり過ぎ”の修正が入る可能性がある」といいます。その根拠について、本記事で詳しくみていきましょう。

投機筋ポジションも「行き過ぎ」懸念強まる

次に、短期売買を行う投機筋のポジションを見てみましょう。ヘッジファンドの取引を反映するCFTC(米商品先物取引委員会)統計の投機筋の円ポジションは3日現在、買い越し(米ドル売り越し)が4万枚以上に拡大しました。

 

低金利の円の買い越しは、経験的には5万枚を超えてくると「行き過ぎ」懸念が強くなります(図表5参照)。

 

出所:リフィニティブ社データよりマネックス証券が作成
[図表5]CFTC統計の投機筋の円ポジション(2000年~) 出所:リフィニティブ社データよりマネックス証券が作成

 

一方、米ドルのポジション(主要5通貨=日本円、ユーロ、英ポンド、スイスフラン、加ドルで試算)は3日現在、売り越しが17万枚以上に拡大しました。米ドルの売り越しは、経験的には20万枚を超えてくると「行き過ぎ」圏といえます(図表6参照)。

 

したがって、徐々に米ドル売りも「行き過ぎ」が懸念される状況になってきた可能性があります。

 

出所:リフィニティブ社データよりマネックス証券が作成
[図表6]CFTC統計の投機筋の米ドル・ポジション(2000年~) 出所:リフィニティブ社データよりマネックス証券が作成

 

短期的な“行き過ぎ”シグナルが増えるなか、今週は「修正」が起こる可能性

以上を整理してみましょう。「米金利低下=米ドル安」は、短期的な「行き過ぎ」懸念が強くなってきたようです。そして円買い、米ドルとも、それぞれ「行き過ぎ」警戒域に近づき始めたと考えられます。

 

現在は、9月18日のFOMCでの利下げを目標に、「米金利低下=米ドル安」を模索する展開が続いていると考えられますが、これまで見てきたように、短期的な「行き過ぎ」シグナルが増えるなかで、FOMCまで「米金利低下=米ドル安」を維持できるかは、微妙かもしれません。

 

米ドル/円の場合なら、この間の安値の141.6円の更新はともかく、このままFOMC前に140円を割れるかは懐疑的で、今週はいったん「行き過ぎ」の修正が起こる可能性もあります。

 

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