「サザエさん的家族」が減少し、核家族化した令和の夫婦…「一緒に夕飯を食べない」一定層。夫は1年365日、誰と食べているのか【中央大学教授が解説】

「サザエさん的家族」が減少し、核家族化した令和の夫婦…「一緒に夕飯を食べない」一定層。夫は1年365日、誰と食べているのか【中央大学教授が解説】

共働きや核家族化などにより、「結婚生活」の形も変わりつつある現代。なかには、親密度が極めて低く、淡白な関係の夫婦も存在するようです。本記事では、社会学者で中央大学文学部教授の山田昌弘氏の著書『パラサイト難婚社会』(朝日新書)から、現代夫婦のリアルについて解説します。

核家族化した夫婦の生活

では、核家族化した夫婦は、日頃どのような雰囲気で暮らしているのでしょう。

 

「共通の趣味」で結婚する人が多い

「一緒に楽しむ共通の趣味を持っている」という夫婦は、55~64歳の男女共に4割強、25~34歳では6割強という結果が出ました。案外、「趣味で結びついた夫婦」が多いことに気づかされます。

 

調査からはわかりませんが、若い人は趣味が合う人を選んで結婚した人が多いと思われますし、年齢が高い夫婦は、結婚後どちらかの趣味に合わせたというケースが多いと思われます。

 

逆に「趣味が重ならない」夫婦は、二人でいる時に楽しむことがあるのか、新たな興味がそそられるところです。

 

「夕食を一緒に食べない」夫婦がいる

「毎日夕食を一緒に食べる」はどうか。こちらは、やはり働き盛りの中年世代(30~40代)は4割から5割程度で、高齢世代(50~60代)では6割程度と増えています。仕事で忙しい世代は、外食率も高まり、反対に定年退職が近づくシニア層になると、夫婦一緒に食事をする機会が増えるということでしょう。

 

ただ、注目すべきは「夕食を一緒に食べるのが、月に数回以下」の人たちが、全体で10%も存在することです。「一年で全くない」という人も3%存在します。

 

母親であれば、夫と夕食を共にせずとも子どもと食べているケースも多いでしょう。ですが、それなら夫は1年365日、誰と食べているのでしょうか。ふと考えてしまいます。

 

「日常会話をしない」夫婦も一定数…

食事といえば会話の時間です。「日常会話を毎日交わしている」夫婦は、全体の68%程度。一方、「週に数回程度」が21%、「月に数回以下」が8%もいるというのは、日本特有の夫婦像だと感じました。

 

この項目もまた、ならば彼らは誰と日常会話を交わしているのか、気になるところです。しかも「週に数回程度しか夫婦で話さない」人が全体の3割近くになるのは、夫婦とは親密なパートナーシップとは言い切れない現実の様相を示唆しています。

 

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※本連載は、山田昌弘氏の著書『パラサイト難婚社会』(朝日新書)を一部抜粋し、再編集したものです。

パラサイト難婚社会

パラサイト難婚社会

山田 昌弘

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