仕事をする上で欠かせない「自分の考えを相手に伝えるスキル」が身につく!語彙力・読解力を高める〈読書術〉【大東文化大学名誉教授が解説】

仕事をする上で欠かせない「自分の考えを相手に伝えるスキル」が身につく!語彙力・読解力を高める〈読書術〉【大東文化大学名誉教授が解説】
(※写真はイメージです/PIXTA)

言いたいことはあるのにうまく言葉にできない…そんな「言語化」に関する悩みに効果的なのが「読書」です。その際、ただ読むのではなくポイントを意識することが重要です。そこで本稿では、山口謡司氏の著書『言語化100の法則』(日本能率協会マネジメントセンター)より一部を抜粋し、語彙力や読解力がぐっと増す読書術をご紹介します。

他の人の感想と自分の感想を比較して読解力アップ

本を読み、気に入った言葉や理解できなかった内容や言葉をノートやメモに書き写し、本の内容に対するツッコミを書き終えたら、同じ本を読んだ人の感想を聞いたり、感想文などを読んだりしてみましょう。

 

「あっ、自分の考えと同じだ!」と共感する感想もあれば、真逆の感想もあって、同じ本でもこんなにさまざまな感想を持つ人がいるのだと驚くはずです。自分の「読み」の浅さを実感させられた感想には、素直に「参りました」という気持ちさえ抱くかもしれません。

 

一方で「それは違うんじゃないの」「誤読ではないかな」と思う感想もあるでしょう。そんなときは、なぜ自分はそう思ったのか、実際に書いたり話したりしてみましょう。

 

これを「反論」といいます。相手の意見や批判に対して反対する考えを述べることです。反論をすると、当の相手から反論が返ってくることもあるでしょう。しかし、これを恐れてはいけません。なぜなら、批判や反論を受けるということは、自分を成長させるための大きな「気づき」になるかもしれないからです。

 

たとえば、自分の考えが正しくて、それでも相手には納得できないところがあって反論をしてきた場合、自分の表現力不足だったということも考えられます。それは表現力にさらに磨きをかける絶好の機会になります。

 

一方で、相手からの反論を聞いて自分の読み間違いに気づいたとき、これもまた自分にとって大きな学びとなります。いずれにしても相手の批判から学びを得ることは、個人の成長にとっても、考える力を育てて言語化能力をアップさせるためにも、とても大切なことです。

 

そして、意見の違う人と議論をする際には、感情的になっては実りのある議論となりません。あくまで冷静に問題点を指摘して、論理的、客観的に話を進めていく、そんな姿勢が重要です。その訓練ができていれば、社会生活においても、よりよい人間関係を築くことができます。本来、読解力とはそのような人と人との関わりにおいて、培われていくものなのです。

 

【ポイント】

●同じ本でもさまざまな解釈がある。

●自分と違う意見に反論してみよう。

●反論されることにも学びがある。

●論理的、客観的な議論の積み重ねが読解力を高める。

 

 

【監修】山口 謡司

大東文化大学名誉教授、平成国際大学新学部設置準備室学術顧問

1963年、長崎県に生まれる。フランス国立社会科学高等研究院大学院に学ぶ。ケンブリッジ大学東洋学部共同研究員などを経る。 著書にはベストセラー『語彙力がないまま社会人になってしまった人へ』(ワニブックス)をはじめ、『文豪の凄い語彙力』『一字違いの語彙力』『頭のいい子に育つ0歳からの親子で音読』『ステップアップ0歳音読』『いい子が生まれる 胎教音読』、監修に『頭のいい一級の語彙力集成』(以上、さくら舎)などがある。

 

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※本連載は、山口謡司氏監修の書籍『言語化100の法則』(日本能率協会マネジメントセンター)より一部を抜粋・再編集したものです。

言語化100の法則

言語化100の法則

山口 謡司(監修)

日本能率協会マネジメントセンター

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