日経平均、急落…「買い場」ではあるものの、すぐに急反発するとは見込めない?【ストラテジストが解説】

日経平均、急落…「買い場」ではあるものの、すぐに急反発するとは見込めない?【ストラテジストが解説】
(※写真はイメージです/PIXTA)

本記事は、マネックス証券株式会社が2024年7月26日に公開したレポートを転載したものです。

予想PERは今期になって最低となり、価格の調整はついた

次にイベント的にはFOMCに日銀の金融政策決定会合が控えていること。しばらく調整局面入りだと想定した一番の理由は(アイランド・リバーサルなどではなく―― そもそも筆者はチャート分析など信用しないのだから)これらの重要なイベントを控えて様子見姿勢が強まると見たからだ。

 

投資家の多くがイベント待ちで動かない・動けないとなると、急騰を受けた利益確定売りで、またはそれに乗じた売り仕掛けなど、少しの売り圧力で相場が大きく崩れることは毎度のパターンである。こうなった以上、金融政策決定会合が無難に通過するのを確認しないと、最終的なアク抜けにはつながらない。

 

また、急落のあとでは毎回述べていることだが、相場がいったん大きく崩れると一気には戻らないものである。「価格の調整は速いが、玉の調整には時間がかかる」から、というのがその理由だ。今回は米国のハイテク株安の余波もくらった下げなので、そちらのポジション調整との兼ね合いもあって、なかなかすっきり戻り切らないのではないかという懸念も残る。

 

そうはいっても「価格の調整」はついた。予想PERは今期になって最低である。日経予想で16倍割れ、QUICKコンセンサスベースで14倍台だ。

 

出所:QUICKデータより筆者作成
[図表2]予想PER 出所:QUICKデータより筆者作成

 

肝心の業績―― 予想EPSの上振れが鈍いので、足元ではそれほど割安感が台頭していないが、第1四半期の決算が出そろうころには、バリュエーション面での買いが正当化できる状況になるだろう。

 

もう一度、結論をいうと、この下げは買い向かっていい。4万2,000円台をつけたときに上放れて「窓」を空け、「離れ小島」となった。その意味は、行き過ぎであり、いわば、ある種の「幻の値」である。相場でその価格はついたのは事実だが、実際のところは「なかったものとする」というのが「離れ小島」の意味である。そうであるなら、「三空」も同じだ。3つも「窓」を空けるのは行き過ぎだ。3つ目の「窓」から下の値は、いずれ相場が「なかったもの」としてくれるだろう。

 

筆者はチャート分析など信用しない。これは分析ではなく、チャートの解釈である。

 

 

広木 隆

マネックス証券株式会社

チーフ・ストラテジスト 執行役員

 

注目のセミナー情報

【医院開業】9月26日(木)開催
【医師限定】人生設計から考える!
医療業界に精通したFPが語る〈医院開業資金〉のリスクと備え

 

【国内不動産】9月28日(土)開催
日本製鉄独自技術「NSスーパーフレーム工法」で実現する
長期的に資産価値が落ちない新発想の〈高気密〉〈高断熱〉賃貸マンション経営

 

【海外不動産】9月28日(土)開催
海外不動産の投資手法をアップデート!
日本国内の銀行融資を活用した「最新・ベトナム不動産投資戦略」

 

【関連記事】

■税務調査官「出身はどちらですか?」の真意…税務調査で“やり手の調査官”が聞いてくる「3つの質問」【税理士が解説】

 

■月22万円もらえるはずが…65歳・元会社員夫婦「年金ルール」知らず、想定外の年金減額「何かの間違いでは?」

 

■「もはや無法地帯」2億円・港区の超高級タワマンで起きている異変…世帯年収2000万円の男性が〈豊洲タワマンからの転居〉を大後悔するワケ

 

■「NISAで1,300万円消えた…。」銀行員のアドバイスで、退職金運用を始めた“年金25万円の60代夫婦”…年金に上乗せでゆとりの老後のはずが、一転、破産危機【FPが解説】

 

■「銀行員の助言どおり、祖母から年100万円ずつ生前贈与を受けました」→税務調査官「これは贈与になりません」…否認されないための4つのポイント【税理士が解説】

 

人気記事ランキング

  • デイリー
  • 週間
  • 月間

メルマガ会員登録者の
ご案内

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

メルマガ登録
会員向けセミナーの一覧